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オブジェクト思考ブロギング

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年上半期に読んだ本ベスト5

★失われた民主主義―メンバーシップからマネージメントへ シーダ・スコッチポル 慶應義塾大学出版会 (2007/9/20) ★Only Yesterday - An Informal History of the 1920's Frederick L. Allen Harper Perennial Modern Classics(2000/7/25) ★デザインのデザイン…

「現代語訳 学問のすすめ」 福澤諭吉、斎藤孝

明治維新の人材百花繚乱。この時代の人物で誰が好きかと尋ねれば、その人物のおおよそがわかるというものだ。ある友人は勝海舟と答え、ある友人は渋沢栄一と答え、ある友人は坂本竜馬と応える。自分の場合は、文句無く福澤諭吉である。もちろん、壱萬円札の…

「モーツァルト交響曲集」 クラウディオ・アバド、ヨーロッパ管弦楽団

クラウディオ・アバドとはヨーロッパの表象representationである。そんな感慨がよぎる演奏。カラヤンの後釜としてベルリンフィルを振っていたアバドだが、カラヤンの統制的なスタイルと対照的に、オーケストラ個々のメンバーが生き生きとするようにという配…

「ポスト消費社会のゆくえ」 辻井喬・上野千鶴子

セゾングループの総帥であった堤清二と上野千鶴子の対話編。上野千鶴子は、「セゾンの発想」という本も上梓しているくらいで、セゾンに対する知識はとても深い。基本的には、セゾングループの栄光と挫折への回顧と反省、分析である。セゾンという「文化」を…

明治神宮の花菖蒲

2週前だけど、明治神宮の花菖蒲。 べりーびゅーてぃふる。今まで花菖蒲とカキツバタとアヤメの違いが今いちわからなかった(というか同じものが色んな名前をもっているのかもと思っていた)が、どうやらきちんと違うものらしい。 http://ja.wikipedia.org/wi…

ゴミの行く末を思いつつ、「いのちの食べかた」を思い出す

ここ最近東京都の一部の区では、積極的にゴミの分別をしなくなった。今まで燃えないゴミとされていた、プラゴミやトレイなんかが燃えるゴミになったから。おー遂に東京の焼却場も火力を高めたんだ、良かった、良かったと思っていたら、どうやら、燃えないゴ…

ユリイカ2009年6月号 特集レム・コールハース

コールハースを十全に語ることは、無謀である。けれど、今回の特集は色んな視点からの分析やコメントで、かなり見通しがいい。コールハースはオランダ出身の建築家だが、ジャーナリストや映画のシナリオライターといった職歴があり、著作によって名を上げ、…

友人の結婚式

サークルの友人が今月結婚。式から呼んでもらった。もともと体格が良く見栄えのする奴だったが、式用の正装がとても素敵だった。燕尾服をベースにしているのだろうが、胸元のシャツのつくりがお洒落。新婦お色直しのドレスの色も良かった。なかなか正装や正…

「ケータイ小説的」 速水健朗

ケータイ小説の隆盛に、ヤンキー文化の再興を見る。というのがおおまかな趣旨。ケータイ小説の特徴である、ティーン女子の主人公・妊娠・中絶・DV・別れ・いじめ・フィクションであるけど事実と主張すること、といった要素が、1990年頃まで流行ったレディ…

「さくらん」 蜷川実花他

土屋アンナはヤンキー的なもののわかりやすいアイコン。そう思って、「さくらん」をツタヤよりレンタル。個人的には、演出家が好きなようにアレンジした建物やインテリアが印象的だった。江戸時代というネタを使って、時代考証に囚われず、思うようにデザイ…

「ヤンキー文化論序説」 五十嵐太郎

日本人を大雑把に3つに分けると、ミーハー、ヤンキー、オタクである。という意見があったが、厳密さはともかくとして、なかなか言いえて妙だと思った記憶がある。 ミーハー(おそらく自分はここのグループだと思うが)やオタクといったグループには、自分達…

「サンチアゴ・カラトラバ」 DVD現代建築家シリーズ

サンチアゴ・カラトラバの名前を初めて知ったのはプリツカー賞(建築における最も権威ある賞のひとつ)受賞者リストであった。高名な建築家が揃うリストで、幾人か知らない名前があったが、彼もそのうちの一人だった。少なくとも、日本ではそう有名な作家で…

「思想としてのパソコン」 西垣通

コンピュータ史上における重要な論文をいくつか翻訳したアンソロジー。現代のPCというものが、どのような背景で生まれてきたかに焦点を当てて並べている。もともとコンピュータの開発は、計算機械(computationするもの)として始まる。それから、人間のよ…

「リストランテ・パラディーゾ」 オノ・ナツメ

眼鏡をかけた老紳士達が給仕を担うリストランテの話。登場人物が主人公の若い女の子以外基本的に皆大人であること・・・何かに変にこだわったりすることもなく垢抜けており、押し付けがましくない思いやりがある・・・が、魅力をもたらしている。おそらく作…

「自然な建築」 隈研吾

隈研吾は栄光学園卒であり、同門ということになるのだが、そのせいか共感する点が多い気がする。この本は下の商品説明の通り、アンチRCであり、自然素材を称揚している。また、RCというある種普遍的な適応力をもつツヨーイ「生き物」が、場所のもつ性格…

シンガポールの公共政策

シンガポールに興味があり、自治体国際化協会がまとめたPDFを読んだ。都市国家に地方自治も何もないのだが、全分野にまたがり、わりにまとまっており、シンガポールの公共政策の良きブリーフィングとなっている。http://www.clair.org.sg/j/newsletter/sin.p…

「いきの構造」 九鬼周造

江戸時代の町人で生まれた独特の美意識である「いき」という感覚・概念を哲学者である九鬼周造が分析したもの。留学時ハイデガーやベルグソンに認められてたという才人らしく、分析での包丁さばきが華麗で美しい。外人向けの文化論として書かれている。彼は…

本のセレクトショップ リスト

行ってみたい本のセレクトショップリスト ** ◆オメガスウィーツ 神保町プレスルーム 予約制?所在地:東京都千代田区神田神保町2-12 綿徳ビルディング4F 営業時間:11:00〜20:00 TEL:03-5210-1300 URL:http://www.omega-swiez.co.jp/ ◆旅の本屋所在地:…

「木のいのち 木のこころ 天・地・人」 西岡常一

友人に紹介されて読んだ本。法隆寺宮大工棟梁(法隆寺付きとしては最後の棟梁)のエッセイというか口述というか。いかに木の性質をいかして構造を組んでいくかとか、口伝で伝えられていることがとても重要だとか、機械じゃだめで手にしかできないことが多い…

2009年7月号のクーリエ・ジャポン

7月号の特集は「サヨナラ、新聞(ジャーナリズム)」若い世代に属する(と信じている)自分にとって、新聞が落ち目になっていくのは、あまり気にならないし、ウェブに面白い記事なんかが転がっているからいいんじゃないと思ってはいる。比較的歳のいった人が…

NewsweekにするかThe Economistにするか

年間購読するなら、ザカリアが移籍したNewsweekにするか、定評のあるEconomistにするか・・・悩み中。ウェブで見る限り、Newsweekの評判はやはり芳しくないけど、ちょっと前の偏見も混じっている?The Economistは概ね評判良くて、クーリエなんかにもよく引…

「アメリカ後の世界」 ファリード・ザカリア

アメリカの気鋭の国際ジャーナリストが、題名通りの国際関係を分析していったもの。内容としては、良くも悪くもきわめてスタンダードな感じで、驚くような発見などはなかった。むしろ、著者のものの見方の誠実さや、静謐な知性に感銘を受けた。何かと理論や…

「サマンサタバサ 世界ブランドをつくる」 寺田和正

最近渋谷の109へ「観光」する外人が多い。とどっかの記事。ほんとかどうかわからないが、109が体現する服飾文化、そして、ビジネスモデルが結構注目されているらしい。ビジネスモデル・・・あるブランドのヘビーユーザーが、ショップの店員となり、ショップ…

「ダンディスムの系譜」中野香織

ダンディズムの祖と言われるブランメルという人から幾人かのダンディーをとりあげて、テンポよく解説した本。細かい情報が載っていながらも、重箱の隅的な議論をしないので、軽く心地よく読める。個人的には、プリンス・マイケル・オブ・ケント http://www.p…