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オブジェクト思考ブロギング

「ケータイ小説的」 速水健朗

ケータイ小説の隆盛に、ヤンキー文化の再興を見る。というのがおおまかな趣旨。

ケータイ小説の特徴である、ティーン女子の主人公・妊娠・中絶・DV・別れ・いじめ・フィクションであるけど事実と主張すること、といった要素が、1990年頃まで流行ったレディース御用達雑誌のティーンズロードの投稿欄と酷似しているという指摘から始まり、一時は廃れたヤンキー文化が再興しつつあるのはないかという分析。

絶大な人気を誇った(誇る?)浜崎あゆみも、93年あたりまで、丈長スカートのスケバンファッションであったらしく、彼女の歌詞とケータイ小説のプロットとの類似も↑の議論を裏付けている、と。

ハイカルチャーvsロウカルチャーという文脈では後者の路線であり、装丁も安っぽいが、分析はかなり秀逸。浜崎あゆみの話は、いかにマス文化にヤンキー的なものが深く根付いているかという意味で、わりと衝撃だった。ヤンキー先生といった人が議員になるくらいまで、この国では、マス路線を行くには、ヤンキー性を避けて通れないのか。