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オブジェクト思考ブロギング

ゴーストライター

ゴーストは霊といっても、基本的には死者の霊に意味が限定されるらしい。恐怖や憎悪を投影なこともあるけど、愛情がゆえの残像であることも多いしね。愛着=執着の残像としてのゴースト=霊。ゴースト(死者の霊)が当たり前のように登場人物だったり、案内役だったりする物語がよくあった時代は、世界観が今と違ったことだろう。ベアトリーチェみたいな存在が文学に当たり前に出てくる世界観、単純な迷妄ではない今と違う感性の豊かさがあるのだろう。


ドイツ語では精神はgeist(ゴーストghost=死者の霊)に対して、フランス語では精神はesprit(スピリットspirit=精霊)。単にゲルマンとラテンとしても、文化差が現れているような。死者の霊によって思考するか、精霊によって思考するか。


死者の霊を召喚すること。死者の霊によって。文献とは死者の霊でもある。文献から思考するものは、みな「ゴーストライター」である。そこでは死者の霊は本人と分割できない。文献を紐解くとは、死者の霊を再生する作業なのかもしれない。奥深く読む(intus+legere=intelligence )ことで死者の霊を再生する。正確に言えば、死者の霊を再生するような水準で読む。原文読めない俺が言うべきことじゃないけど。その意味で「復活」とか「再生」の物語を捉えると、そこまでトンデモな話ではない。復活=ressurection=再生=replayとして、イメージの再生を行うこと。文献の反射光で脳のスイッチが入り、イメージが再生replayされること。


文献によって思考し、文献へと志向するものは、ゴーストと分割できない。分割できないもの=individualである。individualとしてのゴーストライター。言うまでもなく、我々は死者の霊とともに生きている。