ideomics

オブジェクト思考ブロギング

リーダーシップとフォロワーシップ

政府批判が盛況である。確かにすごくブリリアントな対応をしている印象はないが、その批判者達は、同じ立場に立たされたらどれだけの力量を発揮できるのだろうか。能力の乏しい私としては、そんな素敵な人々の力量を想像することすらできないが、さぞや素晴らしいリーダーシップを発揮するポテンシャルをお持ちなのだろう。


菅首相。これまでの世襲首相に比べれば、成果を残してきた叩き上げである。しかし疲弊がすごい。震災前までの批判もすごかったが、この首相という職は、サンドバッグの1亜型なのだろうか。サンドバッグより耐用年数が少ない気もするが。


リーダーシップを要求するならば、きっとフォロワーシップというのもあるはず*1フォロワーシップを定義するならば、①信頼できるリーダーを選ぶこと、②一度任せたら一定期間は信頼すること、③代替案を通した批判をする、④どうしても我慢できなければ不信任を、といったところか。少なくとも、初期の枝野さんの話し方は非常に良かったと思うが。


とはいえ、首相が衆議院でよくわからないうちに決まってしまうのは問題で、首相に帰属意識を持てなくてもしょうがない気もする(私もそうだ)。やはり首相公選制が良いのだろうか。あまり考えずに言うならば、首相公選制が良いように思うが。


根本的にはリーダーシップを持った人材の育成が本質的と思われる。アメリカにはホワイトハウスフェローなる制度があって、30歳前後の若手をメインターゲットとして、ホワイトハウスにおいてしっかりとしたインターンをするシステムがあるらしい。どの程度効果があるかはわかりかねるが、想像するにかなり有効そう。これは真似したら良いように思うけれど。



ちなみに今日は都知事選(全国的にも選挙多数)。誰が良いか・・・ポスターは相当にいまいちだが、渡邉美樹さんになって欲しい。「東京を経営する」で打ち出している政策は、(完全に立ち読み、流し読みだが)だいたい妥当に思われるし、何よりも「実行」「成果」の実績がある。さて、結果はどうなるものやら。


*1:もの凄く矮小化して卑近な例をとれば、飲み会の幹事をすればわかるはず。

批評・政策における科学・技術

「ウェブ×ソーシャル×アメリカ――〈全球時代〉の構想力」 池田純一 - ideomicsで、「これだけテクノロジーに溢れた世界では、人文系の素養だけでは、社会批評は成り立ちにくく、原発の話でも、エネルギーの話でも、テクノロジーを踏まえずには、構想できない。」と述べたが、どの分野もそうなっていくと思われる。


テクノロジーが文化へと流れ込む。多分これはいつの時代もあったことで、今に始まったことではないだろう。その時代ごとに、文化へと流れ込むテクノロジーが変わるだけで。でもそれは半歩遅れて。その時代でついていくのはなかなか大変。正直、自分も物理や化学好きじゃないし、科学とか技術とか言われても、医学・生物学以外の分野はついていける気はしない。


じゃあいわゆる「理系」の人材を入れれば良いのかというと、おそらくそうではない。一部を除いて、社会批評や政策設定に必要な、社会科学や人文のリテラシーが乏しいから。誰が悪いとか、足りないとかそういう話ではない。もちろん、現合衆国エネルギー省長官のスティーヴン・チュー*1みたいなスーパースターもいるけど、前提にはできない。



じゃあどうすれば良いか。ダブルメジャー(専攻を2つ)というのも選択肢だろうが、新たなシステムを作る前にやれることがありそう。


というのは、いわゆる「理系」「文系」という受験文化があまりに影響が強すぎると思うから。受験時代の便宜的な分類が、大学卒業後も、「私は理系なもんで・・・」というように通用してしまうが、おそらくその便宜的な分類は、利益よりも害が大きいのかもしれない。確かに専攻によって必要とされる学科は変わるけど、この大雑把な「理系」「文系」というくくりはあまり意味がないように思われる。いっそ一旦この用語を「禁句」にしてみてはどうだろう。


例えば、東京大学。入学時に、「理科」「文科」とわかれるが、この境界をなくして、いっそただの教養学部にしてみたらどうか。試験も、理科・社会併せて選択にしてみるとか。もし穏健にやるなら、既存のものは残しつつ、試みに「教養科」をつくったらどうか。選択科目は各自に任せて、進学する学部ごとに選んでもらえば、実用的には困ることもないはず。自分自身の専攻が固まったとしても、同級生に色々なディシプリンの人がいれば、何かが変わりそう。


もちろん、地道なサイエンス・リテラシーの向上も必要だろう。例えば、

みたいな書籍が増えるとそれはとてもハッピーなことだ。スティーヴン・チューといい、このリチャード・ムラーといい、(政権入りの予想される)エリック・シュミットといい、西海岸系の人材が多いのは気のせいかな。

周波数という公共財

今回の震災でラジオは株を上げたけど。


日米政府で明暗を分けるスーパーWi-Fi ホワイトスペース利活用の行方 | 小池良次「シリコンバレー・イノベーション」 | 現代ビジネス [講談社]


周波数という通信の貴重な公共財
今のTVにそんなに振り分ける意味があるかどうか。
日本でも議論が深まるといいですね。



全般に勉強になる
小池良次「シリコンバレー・イノベーション」 | 現代ビジネス [講談社]