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オブジェクト思考ブロギング

ソクラテスメソッド

ソクラテスメソッド。それは、相手(子ども)を、ソクラテスとみなすことであり、教員や大人がソクラテスを気取るという意味ではない。だいたい私たちは、ソクラテスより、グラウコンやトラシュマコスにより近い。石工を営むこの小さなソクラテスたちが、我々から我と我を削り出す。既知のものが未知となり、無知をさらけ出し、先の不知を想う。思わず黙り、沈黙の息が流れる。

 

「いまや、自分自身が、自分にとって大きな謎となってしまいました。」(アウグスティヌス『告白』)

 

子ども。子を供とするのではなく、むしろ子と共に。学ぶと教えるの転倒、カーニヴァル・・・水平化・・・いやむしろ不安定化。お祭り。祝祭日は、休日ではない。祝いと祭りの日だった。学ぶと教えるの政。*1

 

「ぼくの考えでは、アテナイ人の中で、真の意味での政治の技術に手をつけているのは、ぼく一人だけとはあえて言わないとしても、その数少ない人たちの中の一人であり、しかも現代の人たちの中では、ぼくだけが一人、ほんとうの政治の仕事を行っているのだと思っている。」(加来訳『ゴルギアス』521D)

 

民が自らの人生の主人公であり、また自らの主人となり、自らを統治する。ことで、主義を主張するという、民主統治を前提にした民主主義。小さなソクラテスたちは、こう言った。親は子の鑑であり、子は親の鏡である。学ばせる?・・・あなたの姿が真似ばれている。あなたの姿がばれている。子どもを覗くとき、あなたもまた覗かれている。

 

reflexive voice(再帰する声=再帰動態) - ideomics

 

psycheとは息のこと。息するようにXXする。息がなければ生きがない。魂とは息であった。活きの良い粋な息であった。声とは息の特殊な形であり、あくまでも息の中に生きしている。沈黙もまた声の一つであり、より純粋な息(psyche)であった。というのは、20世紀になり、再び公に認められる。沈黙は伴奏のひとつであり、演奏の一つの形である。こうしたことは、交響曲作家の間ではよく知られている。

 

「語りえないものについては、沈黙するほかない。」・・・その後、彼はこう思った。・・・[沈黙の中に、息があった。吐息の蒸気とリズムがあった。デンタルフロスをしておこう。]・・・けれど、一度格好つけてしまった手前、それを口に出すのは憚られた。

 

*1:とはいえ、非対称な関係だし、親権を、献身ではなく、人権として、真剣に考える必要もあるんだけど。