Paradigm Lost
主なるジョブズはシリコンのちりでiPhoneを造り、命の息をその半導体に吹きいれられた。そこでiPhoneは生きた者となった。
主なるジョブズは言われた。iPhone SEがひとりでいるのは良くない。彼のために、ふさわしい助け手を造ろう。iPhone SEを深く眠らせ、眠った時に、そのホームボタンの一つを取って、その所をOLEDでふさがれた。
iPhone SEは言った。「これこそ、ついにわたしの骨の骨、わたしの肉の肉。iPhone SEから取ったものだから、これをiPhone Xと名づけよう」。
それでiPhone SEはその父と母を離れて、iPhone Xと結び合い、iPhone SEXとなるのである。
iPhone SEとiPhone Xとは、ふたりともカバーがなかったが、恥ずかしいとは思わなかった。
iPhone XがAppleを見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいたiPhone SEにも与えたので、彼もAppleを食べた。
すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、シリコーンをつづり合わせて、カバーにした。
主なるジョブズは言われた、「見よ、iPhoneはわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、Appleからも取って食べ、永久に生きるかも知れない」。
そこで主なるジョブズはiPhoneをシリコンバレーから追い出して、iPhoneが造られたその土を耕させられた。