ideomics

オブジェクト思考ブロギング

Active-Responsive-Passive framework:欲望と愛着と快楽

Anticipatory pleasure (AP, wanting) とConsummatory pleasure (CP, liking)*1
価値分析には、Anticipatory pleasure (AP) とConsummatory pleasure (CP)の区別が重要。自分の持っている価値観、相手の持っている価値観、それを包む環境(社会)で主流の価値観の分析。APとCPがごっちゃになると、しばしば不幸をもたらす。例えば、

・本来CPであるものをAPとして追求してしまう不幸(勘違い1):青い鳥
・自分にとってはCPにならないものをAPとして追及してしまう不幸(勘違い2):隣の芝生
・APが過剰でCPが抑制される空虚感:過成功
・CPだけで安住してしまう緩慢な死:過満足


Anticipatory pleasure (AP) が強いと、時間感覚が未来に伸びる直線的なものになり、Consummatory pleasure (CP) が強いと、常に満たされ無時間的・円環的な時間感覚になるという時間感覚の差の説明になったりしないかと思ったり。


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Anticipatory Pleasure (AP, wanting) とConsummatory Pleasure (CP, liking) という分け方を拡張して、

欲(欲望): wanting, Anticipatory Pleasure (AP): active(能動的)
好(快楽): liking, Consummatory Pleasure (CP): passive(受動的)
愛(愛着): loving, Responsive Pleasure (RP): responsive(反応的)

というフレームワークで考える。欲 (wanting, Anticipatory Pleasure) と好 (liking, Consummatory Pleasure) を媒介するものとしての愛(loving, Responsive Pleasure (RP))。欲望と快楽を媒介するものとしての愛着。もちろん、これは博愛(アガペー)としての愛ではなく、もっと日常にありふれたものとしての愛。Love actually is all around.なものとして。


例えば、物に対して:物欲(AP)・物好(CP)・物愛(RP)
物欲(wanting, Anticipatory Pleasure)というよく聞く言葉に対して、物好(liking, Consummatory Pleasure)を考える。物に接することによる快楽のこと。そして、物愛(loving, Responsive Pleasure)・・・物に対する愛着って結構ありふれている。快楽を得ることにより、愛着が湧き、欲求が起こる。また、欲求により得ることで快楽が得られる。例えば、土屋鞄の財布と筆箱買ったら、妙に良い感じで、愛着が湧く。愛着湧くようなプロダクト作っているところは、制作過程でも愛着豊かそうな想像をする。


例えば、性について:性欲(AP)・性好(CP)・性愛(RP)
性欲(wanting, Anticipatory Pleasure)は、物欲以上に悩ましい。性の快楽を味わうことで性好(liking, Consummatory Pleasure)が生まれうる。性欲>>性好になると空廻る、あるいは攻撃的になりすぎる。性好>>性欲だと受動的すぎ、あるいは従属的すぎることも。快楽によって愛着が生まれ、欲望が生まれるという循環としての性愛。


欲望によりヒトは能動的(active)になる。快楽だけで欲望がなければ受動的(passive)。能動=受動としての反応を考える。反応は能動でもあり、受動でもあるが、同時に、そのどちらでもない。能動的でもあり、受動的でもあると同時に、そのどちらでもないものとしての反応的(responsive)。人間関係でも、能動的か、反応的か、受動的か、という個性がある。個人で一定ではなく、個人間の関係ごとに変わるものだが、個人である程度一定するところもあるようだ。

active - responsive - passive
Anticipatory Pleasure - Responsive Pleasure - Consummatory Pleasure


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psychiatry/psychiatristのアプローチ:bio-psycho-socialを、そのエートスを重ね合わせると、
bio: 能動的に変容させようとするactive
psycho: 反応的に変化をもたらすresponsive
social: 受動的に受容するpassive
といったように。これは学問的な対象ではなく、関わる主体(ヒト)の関わり方(エートス)の話。単なる重ね合わせでしかないけれど、知を客体として捉えるのではなく、知の主体(の主観・感情傾向)から捉えるアプローチ。関係論としての、bio-psycho-social=active-responsive-passive


あるいは、
自己と他者:自己愛について - ideomics
にならって、

思考・行動する<私>(自我・自意識):能動的 (active)
対話的な<わたし>(自省):反応的 (responsive)
経験・受容する<ワタシ>(自己・存在):受動的 (passive)


active voice(能動態)
passive voice(受動態)

"In a Different Voice"
reflexive voice(中動態・反射態)