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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

「Studies in Organic」 隈研吾建築都市設計事務所

隈研吾に関しては、自然素材を用いるという、素材の点でこれまで、興味深いと思っていたが、最近の興味は、「環境」、「生命」という視点に移動しているらしい。これまではアンチテーゼ的な主張が多かったが*1、メインストリームな(穿った言い方をすれば"流行りな")テーマに移動している。この移動はかなり自覚的、戦略的なものだと思うが、これが吉と出るかは今後フォローしていきたい。


彼が生命とか言うとき、それは「環境との関係で成り立っているもの」ということであり、前エントリで言う、内と外の境界の曖昧化、植物とかとの共存なんてテーマとかぶるものもあるだろうし、これまで追求してきた自然素材の利用とか、保守・保存としての「新陳代謝」といった概念まで広く含むのだと思う。ある意味、最近のトレンドの総括としての概念かもしれない。


その分抽象的でわかりにくい(焦点が定まらない)感じだけど、包括的・統合的にビッグにやっていく意思表明だと受け取りたい。2009年から東大教授らしいので、メインストリームを張ってがんばって頂きたいと思う。応援してます。



本書タイトルにある「オーガニック(有機的)」とは、「負ける建築」を経て、隈研吾が現在もっとも関心のあるテーマです。隈の考える「有機的」とは、単に見た目が生物っぽいことではありません。巻頭エッセイ「消去から有機体へ」では、21 世紀の新しい生物観に基づいて、隈が有機的建築の再定義を試みています。隈研吾のチャレンジが結集した本書、ぜひ手にとってご堪能ください。

*1:負ける建築とか反オブジェクトとか