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「ドラッカー20世紀を生きて―私の履歴書」 ピーター・ドラッカー

日経新聞の「私の履歴書」から編集した本。

彼はなかなか自分のことを記そうとしないタイプの人なので、伝記的な作品はこれまでほぼ皆無だった。なので、彼の思想とか考え方を、彼自身の人生と引きつけて考える際、この伝記的な資料は、短いながらも貴重と言えるかもしれない。


大雑把にドラッカーの人生を俯瞰でき、様々な業績(経営コンサルタントとかマネジメントとかいった言葉/概念の発明など)がテンコ盛りなのだが、特に興味を引いたのは2点。


①キャリアとして、若い頃は、新聞社、マーチャントバンク、フリーのジャーナリストとして働き、後に、大学教授、コンサルタントとして確立していった。

新しい分野を創出していく道筋として、このあり方はもしかしたら「スタンダード」になりうるかもしれない。大量の情報の収集・流通⇒分析的・思索的・研究的な仕事という流れで。マネジメント的な考え方が出てきたのは、彼が15-20歳頃と思われるが(たとえば、アルフレッド・スローンのGM社長就任、マッキンゼー創始は1923年である)、まだまだ学問の形にはなっていなかった。なので、上記のような流れは自然というか必然というか。


②職業を聞かれたとき、欧米人は「会計士です」など職種を言うが、日本人は「トヨタ自動車です」と会社名を言う傾向があった。というので、日本人を評価している。

初期の「産業人の未来」を読む限り、ドラッカーが企業のマネジメントに興味を出したのは、産業資本主義社会における人々の位置づけや帰属意識、役割などを考える際に、企業体というものの重要性を強く感じたから。その点で、ドラッカーは個々の企業に帰属意識を覚える日本人を評価していたのだろう。現在の視点で見るならば、疑問もあるけれど、ひとつの考え方として。
(とはいえ、欧米の成功している企業は、従業員の精神的な帰属感をかなり獲得しているであろう点で、そんな違いはないか)

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ドラッカーが晩年に記したものに、これからの課題として、
①「リーダーシップとは何か」
②「技術の歴史」
③「知識とは何か/『知識』の歴史」
を挙げていたように思うが(かなり個人的な要約ではあるけど)、このあたりは自分も課題として考えていきたいところ。



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