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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

The New York Timesの危機

メモ

マスメディア(新聞、ラジオ、TV、雑誌)の危機が叫ばれて久しい。ウェブによる侵食、広告の減少などで多くの媒体が青息吐息。

http://www.economist.com/daily/columns/businessview/displaystory.cfm?story_id=14072274


新聞の中の新聞と呼ばれるThe New York Times(以下NYT)も例外でなく、存続をめぐって様々な議論がある。

http://www.pubpol.duke.edu/nonprofitmedia/documents/dwcabernathyfinal.pdf

このパンフ/論文で提案されているオプションは、

①新聞社自体を非営利組織にして、寄付をつのる
②外交関係や文化関係だけ寄付を募る(①の部分的な解決)
③大学や施設が買収し経営する
④善意ある富豪が買収する(下馬評では、金融情報のブルームバーグ社を設立し、現NY市長のブルームバーグ氏が最適とのこと)

の4つ。各々長所短所ある上に、実現は難しめである。

いずれにせよ、彼らがNYTを非常に大切にしているのは間違いない。非営利化=文化遺産化という解釈もなりたつだろうから、NYTに代表されるold journalism(*)が継承していくべき文化遺産であるという意識が共有されているといってもいいかもしれない。

(現実的な問題として、公共的な議論をどう担保していくかはめちゃくちゃ大きな問題なので、実際には政治システムの一翼としての非営利化がメインの理由でしょうけど。)


上記のエコノミストの記事でも触れられているが、一部の新聞社は利益を教育部門からあげて、新聞の赤字を埋めているらしい(ワシントンポストなど)。

情報の流通から利益をあげていく手段として、ジャーナリズムから教育へ、という流れがもしかしたらあるのかもしれない(ジャーナリズムも教育もともに情報の流通である)。ふと、コロンビア大学には、教育とジャーナリズムの専門職大学院(teaching collegeとjournalism school)があるなぁと思い出した。情報流通を生業とするNYの誇りや未来はこのあたりにあるのかもしれないと思ったり。



*エリート的から分権的へという流れは、ハロルド・ニコルソンのold diplomacyからnew diplomacyへという流れと重なる部分がある気がする