ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

"Built to Last" James C. Collins

邦題ビジョナリーカンパニー

長く続く企業に共通する性質を抽出し、きれいに文章に構造化した古典的な名著である。この本から、コアバリュー、ビジョンというものがいかに企業(ないし組織)にとって重要かという考え方が広まったのは、かなり有名。

個人的には、この著者の文体というか文章の書き方がとても気に入っている。もちろん、内容の素晴らしさは今更言うまでもない。


ケースと理論を各章ごとにバランスよく混ぜて、とてもわかりやすい点。(最初に理論的というか抽象的なメッセージを出して、それを裏付けるケース(この場合はビジネスのケース)を幾つか並べていく。)

レトリックや装飾的な表現をほとんど使わず、簡潔でストレートにメッセージを伝えている点。

本全体とともに各章もしっかりと構造化されていて、文章全体の構造が手に取るようにわかる点。

人に何かを伝えるときに、お手本となるような書き方だと思う。著者はコンサルタント出身なので、「伝え方」というのにとてもコンシャスだったのだろう。読み書きそろばんというけれど、書くというディシプリンの良い教科書とも言える文章だ。アングロサクソンの良き伝統に忠実。

それに、簡潔さとともに全体から香るオプティミズム。こちらまで楽しく、前向きになるような文章である。きっとこれは、カリフォルニアの風であるに違いない※。


※著者はカリフォルニアを拠点に活動している。

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追記:とはいえ、この本は1993年あたりに出版されたもので、ウェブが隆盛する前の話。ウェブが生活や社会の隅々まで行き渡った時代において、どういった内容になるか/あるいは変わらないかは興味あるところ。