ある若者が写本室で、筆記体のliteralをliberalと書き間違えて複写した。それから、literal artsはliberal artsとなった。皮肉にも、彼はこの文字列を文字通りに写さなかったのだ。それがわざとだったのか、うっかりだったのか、今となっては誰もわからないが、この変異で何かの自由を得ることになった。散文。文字が散歩している。文が散歩している。そこで道草しているやつがいる。と思ったら、そもそも行く先も目的もないんだった。
文字という線画によって、現実と切断される。全ての文字は間違っている。しかし現実も同じくらい間違っている。