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オブジェクト思考ブロギング

2次元のアニミズムから3次元のアニミズムへ

となりのトトロ

animation/animateとは、命を吹き込むこと。二次元の中に命を吹き込む。既に存在する自然の業natureにアニマ(命)を感じるanimismに対して、人の業artに命を吹き込む。『となりのトトロ』では包丁のリズムからカットのシークエンス、音楽とのマリアージュまで動画的快感というものが至るところにあった。写真(静画)や物語そのもの、音楽単品とは違う動画的な快感と生命感が。生命感から産み出される生命観。


2次元のアニミズム - ideomics


最近ピクサー観てばかりだったけど、ジブリはやっぱすごい。水彩画的2次元(ジブリ)→疑似3次元(ピクサー)ときたら*1、次はリアルな3次元のアニミズム/アニメーションだな。ロボットに命を吹き込むこと。


anima/psyche*2に対する:
理学的アプローチ:psychology
工学的アプローチ:アニメーション
文学的アプローチ:ミュトス


アニメーションの中のトトロやディズニーキャラクターが幼少期にイマジナリーフレンドになるように、ロボットもそういう存在になるか、という問いを立てる。イマジナリーフレンドの物質的実体化。物質的なロボットもいずれ今のアニメのような存在になるんだろう。人の発達や成長は、ロボットともにあるということなしでも語れない時代も来るだろう。『インサイドヘッド』のBingBongのようにやがて記憶から消えゆくフレンドとして見えない地層に残りつつ。家族や養育ということに対してグルグル思考だったけど、イマジナリーフレンドの実体化としてのロボットというのはひとつの答えになるかもしれない。ジブリピクサーときて次にくるanimation。


ポール・グレアムハッカーと画家』では、ハッカールネサンス時代の画家になぞらえられている。文字通りの「イメージ」が湧きやすいようにだろう。喩えをより近づけるなら詩人による文literatureと言えるだろうか。「書かれたもの」により、機械が命psyche/animaを得る。機械に息(命)を吹き込む。これはヒトhomo sapiensが、幼少期を中心にウタ(歌・唄・詞・詩)によって、息が吹き込まれ言葉を得る、"人"として命を得る、のに似ている。psycheとは息のこと。ウタという人工呼吸によって。


*1:どうでもいいけど、日本人の顔とヨーロピアンアンセストリーな人々の顔を比べると、ジブリが水彩的2次元で、ピクサーが疑似3次元なのはわかる気がする。自分の顔なんて、ほんとスーパーフラットそのもの。疑似3次元で表現する必要ないから。

*2:ラテン語のanimaは、ギリシャ語のpsycheに相当するものらしい。psycheは息という意味がベースにあるそうな