インタグリオのティーセット
インタグリオのティーセットを買った。幾何学模様が想定以上に神秘的で面白い。ギリシャ・エジプト・イスラム・中国といった古代文明を感じさせる意匠で、つらつら眺めながら、幾何学とは文明の特徴と思ったりもした。
(wedgewood社ウェブサイトより)
文化は無限に近くあるけれど、「文明」と呼ばれるものになるには、「幾何学への意志」みたいな志向性がいるのかもしれない。幾何学模様は静止的なパターンであるけれど、繰り返しが、時間軸やアルゴリズムを感じさせる。静止しているけど、ともすると動きそうな。
ウィキペディアによると、「記録に残る最古のアルゴリズムは、エウクレイデスの原論のもの」らしい。
アルゴリズム - Wikipedia
幾何学とアルゴリズム。単純な要素の組み合わせとして、いかに複雑なものを織りなすことができるか。自然科学における複雑→単純(な要素)の還元の志向と対をなすように、、単純→複雑(単純な要素の組み合わせとして複雑な表現をする)の志向性。複雑なものを単純な要素の組み合わせで表現できれば、情報の圧縮もしやすく、複製もしやすい。つまり、スケールしやすい。広まりやすい。
ティーセットという身体的・官能的なプロダクトでありつつ、幾何模様によって論理値やアルゴリズムを感じさせる。フィジカル・コミュニケーションと同時に、ロジカル・コミュニケーションとなるようなツールを考えたくなる。
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しかし、英国メーカーのくせに、世界各国テイストの意匠を使って、それでもなお英国であると印を押すというのは、うまいというか傲慢というか。。。この自信。日本のメーカーも、中国やインドの意匠を「原点」として採用して自家薬籠中のものとして取り込むのが賢いのかも。もちろん剽窃とは違う話で。
折り紙は、origamiとしてたまに英文で見かけるけど*1、これは文明的なポテンシャルのある幾何学なんだろうか。。。