ideomics

オブジェクト思考ブロギング

ボストンの街並み

とにかく完璧な街並みだった。



煉瓦の街並みが綺麗。寒いからかなんなのか、空が澄み渡って、やたらに美しい。土地ごとの空の色って面白い。木や緑を大事にしてるらしく、ちょこちょこ木や緑がある。最近の引っ越しで、いいな〜いいな〜自然っていいな、と思ったけど*1、集団レベルで都市部でも実践され続けている感じ。恐れ入る。



街を歩いている自信満々なBritish ancestryっぽい人々と街並みや洋服とのマッチを見ていると、内発的なものと外発的なものの差(夏目漱石『私の個人主義*2)を度々感じることが多かった。内発的なものと外発的なものの差とか、確かに考え出したら神経症になるしかないわ、と。自分たちの過去に回帰すれば済む話じゃないから。



自分の中では学術都市のイメージだったけど、捉え方によっては、全米で一番古い街的な扱い。日本人にはあまりピンとこないけど、JALの冊子で「京都や奈良に喩えられる」みたいな一節があって、なるほどと。まぁ京都・奈良は言い過ぎな気がするが。


"Must be gone. Be gone, please."
ビーコン街というスノッブな通りを15分ほどすたすた歩いていたら言われた台詞。人種的なものはある程度折り込んで歩いていたけど、実際言われると気持ちの良いものではない。もちろん基本的にはこういう人はごくごく一部だろう。ただ、仮に京都とすると、exclusiveに純血に守りたいものもあるのかもしれない。『アフター・アメリカ』で描かれたボストン・ブラーミンと言われる人々かぁと思いながら聞くと、色々想像されるものもある。


渡辺 靖 『アフター・アメリカ』 サントリー学芸賞 サントリー文化財団

アメリカ東部の都市ボストンは、ボストン「ブラーミン」と称される、この国でもっとも旧く権威ある支配層、富裕階級が存在することでも知られる。ここに君臨する人たちはアメリカの政治、経済、文化にそれこそ建国以来大きな影響を与えてきた。・・・「上流」ブラーミンにも変化の波は押し寄せ、かつての特権階級は内的外的に崩れ始め、大学といえばハーバード以外になしとされた時代も遠く過ぎた。婚姻もユダヤ系や日系までも含むようになり社会意識も次第に開かれてきて、「中流化」し始めている。


なおさら内発的なものと外発的なものの差を考えざるをえない体験だった。個人のレベルと集団のレベルでは議論がかなり変わってくるけど。ひとまず集団レベルはおいておいて、自分のことから始めるより他ない。

*1:人は土から離れて生きられないのよ - ideomics

*2:明治維新の話をするって、ダメなおじさんの典型っぽいけど、ある程度仕方ないところもある。連続的な歴史を辿って、継続的な何かを探そうとすると、これ以上遡りにくい断絶もあると思うので。江戸時代からの連続性も多分にあるのだろうけど、歴史素人にはちょっと想像力が及びにくい。