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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

自由空間の座標系

メモ

小飼弾×松井博、どこへ行く? 帝国化していく企業(2):企業帝国の弱点とは? そこで働く人たちの悲哀 (1/5) - Business Media 誠

いまの企業帝国は教育と福祉は国家に丸投げですよね。そこが本物の帝国と企業帝国の違いです。そういった意味で、企業帝国は“寄生虫”なんですよ。

教育と福祉が"国家"の損どころと同時に、これが代理できる勢力がBig Pictureとして描ければ良いんだけど。


企業も「帝国」として捉えられる規模になり、国家が地方自治体と揶揄される。もちろん戦争が起これば別だけど、それを本当に望む人は少ないだろうし、平和が続けばこの傾向は大きく否定しがたい。とはいえ企業帝国は、「帝国」というほどには人の生活を包摂していないし、場合によっては人材や資源の焼き畑にもなる。


国家による一元化(全体主義)に比べるとだいぶマシだけど、市場の弱点。国家によって、その弱点を補おうとする再配分もあるが、批判も多いし、なかなか機能しがたい部分も多い。それに、国家の権力が増大しすぎて、全体主義に近づきかねないというリベラルな懸念も言われる。国家と市場という2つの要素から、第三者、第四者、、、にあたるような要素はありえないものだろうか。あるいは、国家と市場の二元論からN元論へ持って行くためにはどうすれば良いのだろう。


もちろん、国家が担ったからといって、そのまま全体主義になるわけもなく、国家=悪という方程式が成り立つわけもない。

ハンナ・アレントにおける政治の意味 - ideomics

「政治の意味とは自由である」と述べたアレントのように、言うなれば、政治/法="自由空間の座標系"の設定と捉えて、政治もまた自由空間の創出であると再確認し続けるのもひとつの方向性だろう。


自由というと、もともと初めからあったはずだけど、何者かが邪魔をしていて、それを取り除けば自由は得られるという、自由=解放という発想もあるが、一方で、自由とは積極的にconstructするものであり、はじめからあるものではないという発想もある。後者では、積極的に(絶対に必要な)フィクション/ファンタジーとしての自由空間をを想像/創造するという態度が必要になる。理想主義的かもしれないが、漸近すべき理念として常に必要な、再確認し続けるべき理想主義だろう。


一方で、(全体主義批判が主軸を構成するという意味では同様な)ドラッカーの『産業人の未来』が、国家の一元論としての全体主義批判として、国家に抗する規模の「自由空間」としての市場に期待し、国家と市場(産業資本主義)の二元論へと展開していこうとしたとすると、ドラッカーにおけるマネジメントという概念は、政治と対語として機能しているとも解釈できるかもしれない。

「産業人の未来」 ピーター・ドラッカー - ideomics


政治/政府の一元的な支配から、市場という「自由空間」、産業資本/企業を中心とした市場経済の中で、企業における人々の位置づけと機能を求めることで、政治に全てが回収されることから離脱しようという期待。『アメリカのデモクラシー』において、アメリカ社会における結社の重要性を指摘したトクヴィルを、いわば斜めに反復するようなイメージ。こちらは↑より現実的で、権力分立/権力拮抗的な保険を効かせている。


政治/法="自由空間の座標系"の設定という認識を保持しつつ、国家と市場(産業資本主義)の二元論をN元論として拡張することは可能だろうか。いわば、国家と市場とは別様に、あるいはその彼方にあるような堅牢な「自由空間」の創出。具体的には、福祉や教育に関しての「自由空間」の創出。国家や市場といったこれまでの「自由空間」に匹敵する「自由空間」の創出。


自由空間という(絶対に必要な)フィクション/ファンタジーを想像/創造すること。一種の文学的想像力。「自由空間」の座標系が多い方が、より自由空間が(次元が違う形で)広がる。という意味で、座標系の設定をより多元化できるだろうか。


例えば大学という機関。国家/市場/学術の"三権分立(三空間分立)"みたいな形は構想しえるだろうか。学知を形成する主要な機関としての大学が、教育や情報という形で、自由空間の座標系を設定し、それが国家や市場といったものと比肩しうるものになるかどうか。「第4世代の大学」論 - ideomicsのように、同時に公共的な討議を提供する空間ともなれば、まったくありえない話ではないかもしれない。一部の大学が教会の子供として産まれたとするならば、政教分離の"教"にあたる機関としての大学、"政"(国家)と緊張感のある関係を持つ機関としての大学、という捉え方もあながち完全な間違いとは言えなさそうだ。*1