読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

学校自治とコミュニタリアニズム

某友人との話の中で、卒業生が守りたいと思うような文化がある学校のケーススタディというのに興味が湧いた。母校に(強い)アタッチメントを持つ人に時折出会うことがあり、そういう人を多く輩出している学校があるという印象。生まれ育った土地への郷土愛的なものとは独立のものとして。自分の知っている範囲だと、例えば筑駒、麻布や愛知の旭丘とかだろうか。共通するのは私服ってあたりっぽいけど。


時間をかけて体感していかなければわからないよ。と言われてしまえばそれもその通りなのだろうが、そのあたりの学校文化が、できる範囲で言語なりで明示的に抽出できて、他にも適用可能だったら、社会的にも意味ありそうだし、個人的にも興味深いと思う。学校の自治が若干トピックになったりするけど、実際どういう「学校自治」が、(理論や理念としてではなく)現実としてあり得ているのか、あるいは、ベストプラクティスに近いものとしてどういう形があるのだろうか*1


友人の中にもコミュニアタリアン的な方向性を支持している人がいるけど、もしかしたら、こういった学校自治的な原体験があるかないかで、コミュニタリアンへの評価も変わってくるのかもしれない。いわゆるリベラルや近代的思考のように、「一つの」体系で包摂することを促進するのではなく、個別の文化や法体系を尊重する。確かに、権力分立的な観点からも、国家との法体系とは別の法治的なスタイルができれば、それは素晴らしいと思う。逆に、国家によって、全てを包摂するような国家主義はいかにも危険そうだし。


かなり飛ばし気味に言えば、「政教分離」の"教"は、実は「教育」の"教"なのかもしれない*2。少なくとも、宗教の作用の中心として、教育的なものがあるとは言えるけど、教育とは宗教であると言うと、さすがに言い過ぎか。ともあれ、権力分立論的な観点から、「政"教"分離」を考えてみるのは、ありかもしれない*3


国民国家の衰退という言葉をよく聞いたりするけど*4、もしそうだとしたら、その一部空いてきたアイデンティティ的な位置を占めようと出てくるのは、どういうアクターなんだろうか。グローバル企業、NGO、テロ組織・・・色々なものが考えられるけど、情報社会という文脈を考えると、教育機関というのも大きなアクターになりそうだ。いわゆる「学習」自体は、カーン・アカデミーとか、オンラインベースのものがますます主流になっていくと思うけど、もっと大事な意義もありそうだし。


というのも、
お金と情報と社交資本 - ideomics
のように、情報が鍵を握る社会において、情報の流通ルートとして、社交資本socail capitalがあり得て*5

社交資本の形成としては、色々なルートがあるけど、特に情報絡みで言うと、
SCSM - Social Capital Stock Market - ideomics
のように、「学校」とか「教育機関」と呼ばれるものが、中心的な位置を占める可能性があるから。SNSの雄と言えるフェイスブックが、ハーバード大学の学内ネットワークだったことは示唆的だ。あるいは、グーグルやマッキンゼー、GEといったグローバルプレゼンスが高い企業が、英米の大学的なモデルを採用していたりするのも。


さらに飛ばして、
近代国家の先?:virtual state? - ideomics
のように、近代国家の先に、virtual stateがありえるとして、virtual stateの中隔を担いうるのが、「学校」なり「教育機関」であり、教会(中世)⇒国家(近代)と来て、次の反復する波としての教会のリバイバルが、形を変え世俗化した宗教としての「教育機関」である。なぜなら、人生変容の機会が比較的多めにあるから。と言ったら、さすがに妄想的過ぎるよね。


            ***


とはいえ、昨今の事件を引くまでもなく、「学校の自治」が諸手を挙げて賛成されているわけでもない。「自由」というのは、非常に解釈の難しい言葉だ。自由を語る際に、その社会における話者の立ち位置と、周りとのパワーバランスというのは常に念頭に入れておかないといけないかもしれない。強者の言う自由と弱者の言う自由は異なりやすい。前者が言う自由は、ともすればパワーバランスに任せた自分勝手をpolitically correctな婉曲表現としただけであることも少なくないかもしれないし。

*1:単に自分が知らないだけかもしれない。面白い文献など教えて頂けると助かります。

*2:実際には、英語だとseparation of church and stateなので、教会の教、宗教の教だと思いますが

*3:彼等について私が知っている2,3の事柄 - ideomics参照

*4:もちろん、実際にはそう簡単な話ではないと思うが

*5:その関連として、Better connected : Naturejobsはなかなか面白い記事