ideomics

オブジェクト思考ブロギング

医療ツールとしてのIQ

VIQ(言語性IQ)>>PIQ(動作性IQ)と差(discrepancy)が30以上になるのは、なかなか珍しいけど、不適応の背景としてdiscrepancyが結構大きいのかもと最近の症例*2で体感。例えば、VIQが高いと表面的にはそう問題なさそうだけど、PIQの関係で実際の仕事遂行能力に難があって、仕事上の不適応が起こりうるといった感じ(を推定)。


一時期、PDD関連でdiscrepancyが云々と言われた時期があったけど、PDDとか関係なく、純粋にdiscrepancyが不適応の背景になることはありえそうな気が。「適応障害」「現代型うつ」「非定型うつ」といったケースでチェックすると意外と背景にあるかもしれない。非常に古いツールだけど、改めて。


進学校にいるとIQ的な価値が強すぎて不可侵な空気もあるし、都会にいるとIQによる不適応というのはあまり見ないけど、場所を変えると(つまり地方)、結構IQで示される背景による不適応というのをよく見る。反社会的行動に出やすかったりとか。


理系・文系という言葉は、実質的な意味が乏しいこともあってあまり使わないけど、理系=(PIQ>VIQ)、文系=(VIQ>PIQ)とすると、定義がクリアで、かつ語の実感にも即しているかもしれない。実際、VIQのV=verbal(言葉)と「文」に近いし。能力→適性みたいな文脈で使えれば、効用もありそうな。


IQテストというと、人を「評価」するための何やら成績表的な存在で嫌がられそうだけど、本来ならば、他の医療検査と一緒で、治療やら対応やら未来に向かって役立てるツールのはず。いわばスプリングボード。本来は成績表もそのはずだけど。「評価」として終結するのでは自己満足や自己嫌悪に終わってしまうので、もう少し先を見据えたスプリングボートとしての活かし方を考えてみたい。