ideomics

オブジェクト思考ブロギング

Facebookで投票率UP?

どうやら2010年のアメリカ議会選挙では、Facebookを介したsocial効果で、投票率UP!というのが実験的に示されたらしい。


"A 61-million-person experiment in social influence and political mobilization" (Nature, 2012)
http://www.nature.com/nature/journal/v489/n7415/full/nature11421.html


要は、友人が"I voted"としたことが表示されることで、フレンドが影響を受け投票行動に繋がった、と。しかも、"I voted"と表示されたわけではなくても、そういったフレンドがいると、それだけでも投票率は上がったらしい。つまり、影響の"感染"は、直接表示された人だけでなく、その友人にまで広がっているとか。数字にすると動員できた人口は被験者の1%にも満たないけど、6000万人に対して実験したので、絶対数にすると、数十万規模になる。ちょっとSNSをいじるだけで、これだけ動員できるのであれば、それは凄いコストパフォーマンス。


ソーシャルネットワークによる行動変容に関しては、先行文献が色々あるけど、

"類は友を呼ぶのか、友が類を呼ぶのか?"
http://d.hatena.ne.jp/msk240/20120428/1335608307

"Identifying Influential and Susceptible Members of Social Networks" (Science, 2012)
http://www.sciencemag.org/content/337/6092/337
Facebookの話。まだ未読だけど、いずれちゃんと読む。)


これだけの規模で、かつ政治関係だとインパクトはでかい。おそらくデータは結構前に完成してのだけど、今年の大統領選のタイミングを待っていたんだろうと思われる。今回は、Christakis&FowlerのうちのFowlerの仕事。このあたりの分野の方々、政治学や経営学バックグランドでありながら、Nature, Scienceを狙ってくるのは賢い感じだし刺激的。ソーシャルネットワーク関係はバブル感もあって、やや飽きられてきそうだけど、介入系の実験なり検証は、応用科学として色々余地がありそうだ。