ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

ジャーナリズムの銀河系

ギリシャ人20人と話しました
ギリシャ人20人と話しました 続き
だいぶ前の記事。自分でも理由はよくわからないけど、インタビュワーになんか感銘を受けた。ジャーナリズムって何だろうと考えていたところで、この「インタビュー」ってもののの存在に改めて気づかされたからかもしれない。インタビューってのは、そんなに気軽にできるものじゃないから、プロとしてのジャーナリズムの価値の中核になりそうな気が。


ジャーナリズムとアカデミズムを対立させてみて*1、「アカデミズムとは、"一つ"の真実・真理・共通言語へと、言葉(知)を収束させる試みであり、ジャーナリズムは多様な意見を集め、言葉(知)を発散させる試みである。」と、試しに考えてみる*2。なかなかコミュニケーション取りづらい人とも、なんとか疎通しようという試みをする。そして、言葉や知を発散的に拡大していくこと。こういった知への志向を持つ人をジャーナリストとして定義してみる(逆に、アカデミストとは、共通言語のあるフィールドで自分が共通言語を修得し、共通言語を洗練させていく人と定義)。


というのも、現在の世界で「知」というと、だいたいアカデミックな知識(体系)と連想されるが、それ以外の知のあり方も大事に違いなく、その一つとして挙げられるのが、個人個人へのhumanな興味に基づいて、なかなかコミュニケーション取りづらい人ともなんとか疎通しよう、どういった考えを持っているのかどうにか知りたい、という「知的好奇心」だと思っているから。そういったモチベーションの強い人、困難な疎通を開通させるパワーが妙に強い人が時折いるのは確かで、こういった人に一種の憧れを持っている。アカデミックな「真理観」からすれば、「間違い」と見なされることにも興味が持てる、そのhuman-centerdな知的好奇心*3。自然や事実がどうあるかという「真理」にフォーカスする自然科学的なアプローチに対して、ある人が何を考えているのか、どういう価値観を持っているのかをまず(虚心に)探索する試み。


人間中心主義(ユマニスム)はもともと神中心に対する言葉だったと思うけど、現代の機械論的・自然科学的(マシニスティック)な世界観*4に対する言葉として、あらためて再定義するとどうなるか。機械論的な見方に対して、human-centeredな見方を「再生」するとしたら・・・「人間復興」をもう一度改めて、「復興」してみるとしたならば・・・。文化人類学とか柳田国男とか、元々はそういうモチベーションだったと思うけど、段々と「アカデミックな」体系に取り込まれ、学術というディシプリンに変化している印象を持っている。「正しさ」「妥当性」とはまた別の情報の体系というか・・・なんなんだろうな。


疎通を開通させる力って、おそらく、どれだけ「聞いているか」ってところなんだろうけど、「話す量」というのがあるならば、「聞く量」というのもあって良いかもしれない。人の話を虚心に聞くのは、なかなか難しい。キケロニアンやアングロサクソンの伝統的な弁論術に対する「聴論術」*5。ちょっと盛っていうなら、インタビューというか、話を聞く技術というのは、「イシューから始めよ」 安宅和人著 - ideomicsに追加して、現代のリベラル・アーツ的なトレーニングのひとつに組み入れてもいいのかも。


こういった「ジャーナリズム」を断片的に言語化してみる*6

・ジャーナリズムとは「声/ナラティブ」を集めることである。
・ジャーナリズムとは、疎通を開通させようとする試み。共感を、とまでいかなくてもなんとか理解をしようとする試みのことである。トンネルを開通させること。
・ジャーナリストとはナラティブの翻訳家のことである。
・良きサイエンスがパワーゲームから(可能な限り)独立しているように、良きジャーナリズムはパワーゲームから(可能な限り)独立している。
・ジャーナリズムの意味とは自由である。
(・文学に括られるナラティブは、ジャーナリズムの変形もしくはサブカテゴリーである?)


そして、(アカデミックな知に対して)ジャーナリスティックな知の体系がありうるとしたら、それはどんな形になるだろうか/したら良いだろうか。と考えてみる。ナラティブも(学術文献の引用のように)参照の体系を作ることは可能だろうか?というか、参照の体系は暗黙にはあるに決まっているので、明示的・システマチックなレベルで*7。(事物とは別に)「人間中心」的にナラティブをコレクション、アーカイブ、体系化すること、とは?

*1:ジャーナリズムとアカデミズム - ideomics参照

*2:言うまでもなく、元のジャーナリズムという意味からは結構離れてしまうかもしれない

*3:例えば、明らかな精神疾患を患った人の奇異な話をぐっと聴く態度とか。前の上司がそういう感じだった

*4:ユマニスム(人文主義)からマシニズム(機械主義)へ - ideomics参照

*5:これって、クラシックな精神科医ならではのリベラル・アーツとも言えるのかもしれないかしらんと思ったり

*6:どんどん元のジャーナリズムという言葉から離れていっていきそうなので、どこかで別な言葉で定義してみた方がいいのかもしれない・・・

*7:連歌、本歌どり、オマージュみたいなものはあるけど、テクニカルな方向や内輪ノリに行くことが多い。