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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

トランプのジョーカー

クーリエ7月号が(毎度ながら)面白かった。

トランプにキングやクイーンやジャックに混じって、なぜジョーカー(道化師)がいるのか。王宮には必ず道化が召し抱えられ、彼らだけは王様をからかうことが許された。だからトランプのジョーカーはオールマイティなのだ。

ホワイトハウスでの毎年恒例の大きな晩餐会(記者会主催の晩餐会、全米に中継)の記事がとても興味深い。ホワイトハウスでのこの晩餐会でも、コメディアン(≒道化師)だけ、おおっぴらに大統領などの権力者を手ひどくからかう(風刺的にdisる)ことが許される。記事には欧州の伝統とあるが、ある種の伝統芸能なのかも。記事を見る限り、かなり自由奔放にdisってる。


この「伝統芸能」は、権力者が絶対化することを防止する一つのスタビラザーとして機能しているのかもと思った。まさに西洋の伝統無形文化財かも。とてもじゃないけど、スターリンとかにはありえない。日本の天皇にも。(本当に「欧州の伝統」かは、要確認だが。)


シェイクスピアの作品、リア王とかに道化師が出てきて、王様をしょっちゅうからかっている。作品がシリアスになりすぎないよう、時折ガス抜きをするというドラマツルギー的なシェイクスピアの発想(天才)かと思っていたが、どうやら現実にあった習慣っぽい。(とはいえ、この手法自体はドラマツルギーとしても有効だろうし、アニメなんかにも応用されている気がするが)


もしこれがイギリス、フランス、ベネルクス、アメリカみたいな政治先進国に特有の習慣だとしたら、この道化師ってのは、実は政治文化にめちゃくちゃ重要なんじゃないかと思ったり。権力者が絶対化せず、たえず自分を冷静に客観視できるかどうか。そういう仕組みを伝統芸能としてビルトインする。道化師システム。トランプの世界も奥深い。


同号の、外科医のコーチングの記事もかなり面白い。
参照:「仕事力」を確実に上げる二つの方法 « クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)


要は、スポーツ選手と同様に、(一人前になった熟達した)外科医にもコーチをつけたら、結果が良くなったよという話。コーチって大事だよね。という。弁護士とかコンサルとかにも言える?研究者もそうかも。ここで出てくるハーバード准教授の外科医が言っているチェックリストという考え方、これもかなり大事っぽい。すごく単純な話で、看過してしまうけど。肝移植で有名な某東大教授もチェックリストを用意していた。すごくできる人だけど。やはり、かなり大事なことなんだろう。

(自らを含めた)人間の愚かさや足りなさ、不完全さを知っているかどうか。それが賢さへのまず1つめの試金石である。

なんて格言があっても良いかもしれない。