ideomics

オブジェクト思考ブロギング

糖尿病は食べ物への依存症か? (DMは精神科の病気だろうか?)

アルコールや覚醒剤は依存経路のニューロサイエンスが結構進んでいるけど、糖尿病がらみで甘いものへの「依存」形成は同じなのか?違うとこもありそうだし、研究テーマとしては面白いんじゃないかしら。DMは大きなポピュレーション。と思っていたら、友人にとある論文を紹介された。


The Journal of Neuroscience, 4 April 2012, 32(14): 4812-4820
The Glucagon-Like Peptide 1 (GLP-1) Analogue, Exendin-4, Decreases the Rewarding Value of Food: A New Role for Mesolimbic GLP-1 Receptors
http://www.jneurosci.org/content/32/14/4812.abstract?sid=a2818877-e7b5-4ed4-a92d-ce01e77fbeb8


GLP1受容体のアゴニストであるExendin-4のNAc(依存や中毒などに関わる報酬系の重要な部位)投与で食欲がコントロールされたとのラットでの報告。


Nature Reviews Neuroscience 12, 638-651 (November 2011)
Common cellular and molecular mechanisms in obesity and drug addiction"
http://www.nature.com/nrn/journal/v12/n11/full/nrn3105.html


では覚醒剤、麻薬、アルコールなどの薬物系中毒(依存)と、食べ物への「中毒」を比較しているらしい(未読)。VTAやNAcみたいに共通の経路はあるんだろうけど、でもなんか違いそうな気もする。いずれにせよ、DMや肥満を、(アルコールや覚醒剤と似たように)食べ物への「依存/中毒」と捉えるアプローチはあるらしい。


DMや肥満が一種のaddiction(食べ物への依存)となると、将来は、DMや肥満は「精神科の病気」ってなことになったりして。精神科のターゲットが爆発的に増えますね。しかし、↑のExendin-4の話は、「治療」の可能性を示唆していて、少し期待が持てる。


(DMといってももちろんⅠ型は当然この議論から除かれるべきだし、細かい話はきっとあるのだろうが、概論として)