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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

ジャーナリズムの構造化

ソーシャルメディアがもたらす、科学報道の変化とは!? « WIRED.jp

このサイエンス・メディア・センターってすごい大事そう。


とはいえ、

約3世紀前、啓蒙思想と印刷技術発達の落とし子として、科学もジャーナリズムも同じ時期に発生しています。ところが、科学が論文の引用や作法によるネットワーク、要するに集合知によって積み上げていく仕組みを作ったのに対し、ジャーナリズムは科学ほど方法論を熟成できないまま、そしてまた科学技術の側も、科学以外の社会の意思を反映する仕組みを欠いたまま進み、結果として現代のように混乱した状況を招いてしまっています。

という部分が特に気になった。


科学の世界を集合知として捉えて、ジャーナリズムと並列して考えるのは自分の中ではコロンブスの卵。ウェブ上の記事がすぐに消えてしまってリンクが無効になるのを残念に思いつつ、アーカイブ化が大事だよな〜くらいは思っていたが、考えてみれば、ジャーナリズムも知の集積システムである以上、もっと体系的に知をネットワーク化しうる。科学論文の世界のように。



(http://www.laboratorytalk.com/blog/?p=35より)


実験科学の世界では、論文ariticle、総説review、ニュースnews、論考opinionという風に、文章の性質で、ひとつの文章が分類されている。例えば論文では

abstarct: 論文全体の要旨
introduction: 実験に至る背景や仮説
materials and methods: 実験に用いた試料・方法
results: 実験結果
discussion: 実験結果の解釈や推論
conclusion: 全体の結論
reference: 引用した文献

というフォーマットが決まっていて、あらかじめ構造化されている(多少の変形はあるにせよ)。そして、引用というコミュニケーションによって、集合的な関わりが生まれ、知のネットワークが構成される。


医療現場でも、電子カルテの中身は、診察カルテ、検査、処置といった記事の分類があり、例えば診察カルテは、

Subject:患者の訴え(主観的な思い・感覚)
Object: 客観的な検査結果や医療者による身体診察など
Assessment: 医療者からの評価・診断
Plan: 今後の方針

とフォーマット化され、あらかじめ構造化されている。(SOAPと楽しく呼ばれている)


論文や電子カルテと同様に、ジャーナリズムの記事というのも、フォーマット化しうるし、引用やらで記事同士のネットワークを構成した方が、知の創作・流通が加速されるんじゃなかろうか。昔は、紙面の都合で記事自体がとても小さく、また短報的なニュースが主体だったけど、ウェブ時代のジャーナリズムが同じ形にならなきゃいけないこともないだろうし。


例えば、article, review, opinion, story, newsみたいに分類して、articleはbackground, interviews, data, discussionといった構造化をしつつ、newsで短報を、storyで叙述的なジャーナリズムの枠を担保するというように。今のジャーナリズムは基本的にフローという考え方が主流だろうし、間違っているとも思わないけれど、ストック型のジャーナリズムを集合知として考える視点も大事に違いない。パブリックな活動や言論を支える恒久的なインフラとして。あたかも科学者達を眺めるようにジャーナリストを眺める。


医療現場でも、Subject, Object, Assessment, Plan(SOAP)に構造化して記載しましょうと当初言われ始めたときは、「そんな面倒くさいことやってられるか」的な感じは強かったし、年配の医師がSOAP通りに記載することは今も少ない。けど、若い世代にはかなり浸透している。ジャーナリズムの世界も同様の変化が起きる可能性はありそうだし、パブリックな活動や言論のインフラとしての役割を考えると、かなり重要なことに思う。現場を知らないけど、そういった体系があったら役立ちそうだ。