ideomics

オブジェクト思考ブロギング

Association Organizer = Associator

マーク・ザッカーバーグは1984年に生まれた。周りの1984年生まれには興味深い動きがある*1。これは自分の周りだけかもしれないけど。例えば@seihrd 氏の医療360°*2, @madryo氏のワークライフコンフリクト*3。いわゆる起業とは違う新しい形が芽吹いているようなと思ってみたり。


(日本の若い層で)経済的な活動から、より社会的な活動に関心が移っているという流れがあるとするならば、

20世紀=企業の時代
21世紀=アソシエーションの時代

とシェーマにしてみてもいいかもしれない。

アメリカではアソシエーションは元々建国の当時から盛んだったろうから、日本に限った話かもしれないけど。(とはいえ、スコッチポルの『失われた民主主義』*4を参照するならば、アメリカでも20世紀はアソシエーション衰退の時代。これは営利企業の隆盛と無関係ではないだろう。)


そういった動きの中心にある人々を、Association Organizer = Associatorという言葉で捉えておく。人々をまとめる力、ネットワークを形成・維持する力のある人たちのことだけど、これは社交資本における資本家とも言い換えられる。(資本主義の先?:次の位階秩序/socialism? - ideomicsにおける「社交資本家social capitalist」。)先進国において次の時代が、capitalismからsocialism*5に移っていくとするならば、彼らは新しい「貴族」となるのかもしれない。


経済の進歩と政治の進歩をパラレルに考えて、確信犯的に政治の「進歩史観」を持ってみる。経済を成長させる原動力を起業家に求めるならば、政治を「成長させる」原動力をAssociatorに求めたい。associationism - ideomicsで触れたように。大企業に対するベンチャー企業という位置づけに相当するのが、政党やガバメントに対するアソシエーション。政治におけるイノベーションの主役と考えられる*6。シーダ・スコッチポルの『失われた民主主義』は大好きな本だけど、基本的には分析だけなので、今後のパースペクティブやビジョンを与えてくれるものではない。彼女の書籍をベースに、パースペクティブやビジョンを描けたらいい。


ドラッカーの継承 - ideomicsの文脈でも、アソシエーションが人々に社会における新しい役割と位置づけを与えていく存在となりうる。帰属先として企業に大きな期待ができなくなってくれば、より重要性は増してくる。ドラッカーがマネジメントという概念を創始・精緻化したとするならば、彼を現代に継承するとは、アソシエーションやネットワークの形成・維持に関する概念を精緻化するということかしら。情報社会では、情報の流通ネットワークによって帰属意識が大きく異なってきそうだ。もう少し考えてみよう。