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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

医療制度の勉強会:病院とマネジメント

日記

先日医療制度の勉強会に参加させてもらった。(研修医→コンサルタント→MBA留学という経歴の)大学の先輩が講師として、プレゼンテーション+ディスカッション。講師、主催の皆様ありがとうございました。


医療とマネジメントというトピックだったが、まずこんな研究を紹介された。


Management in Healthcare: Why good practice really matters
http://worldmanagementsurvey.org/wp-content/images/2010/10/Management_in_Healthcare_Report_2010.pdf


マッキンゼー、HBS、スタンフォードLSEなどピカピカな施設が共同で、病院にインタビューを行い、臨床指標からマネジメント指標を幅広く集め解析したものらしい。まだ読んでないが、端的に言うと「マネジメントが優れている病院は、臨床的にも優れている」ということみたい。


研究主体から結論にバイアスがかかるのは当然としても、おそらくそうだろうなと思う。マネジメント=金儲けと短絡してしまうと、医療サイドはマネジメントなる言葉にかなり敵対心を持ってしまうようだが、さすがにマネジメントをそこまで矮小化するのはもったいない。


(ちなみに、本題とは関係ないが、この調査の前に10日かけてインタビュートレーニングを行ったとか。このあたりのインタビュースキルのトレーニングはすごく気になるところ。というのは、人から話を聞くのってひとつの「技術」だから。MBA = liberal arts ? - ideomics「イシューから始めよ」 安宅和人著 - ideomicsの文脈も含めて気になる。ほんとは、精神科もmedical interviewの技術という文脈でリベラル・アーツに貢献しうるのだろうけど。)


講師の先輩からのメッセージは、病院によりしっかりしたマネジメントの導入を、ということだったが、必要とされるのは、まず以下の3つと。

①ミッションと価値の設定・共有(多くの病院に存在しているが、あまり考えられておらずだいたい似たようなものが多いし、そもそもスタッフに共有されていない)
②強力なリーダーの育成
③インプット・アウトプットの見える化(例えばトヨタなんかを参考に)


人材の育成が鍵になると思うが、これはこれからの課題。はたして和製MBAは、医療経営に資するのか?などの疑問は生じた。一番早いのは、③だろう。工業生産におけるcritical pathを参考にカレン・ザンダーKaren Zanderなる看護師が導入し、現在clinical pathという形で広まっている手法がある。このあたりをフックに、さらに工業生産や他の分野から知見を導入できたらいい。clinical pathって一見あんまり面白くないかもしれないけど、結構奥深いかも。病院におけるマネジメントの必要性ってトピックに上がるものの、あまり詳細な話はしないので、踏み込んで具体的な戦略に繋がるような話は新鮮だった。


あと強く同意したのは、中小規模の総合病院は今後成り立たないんじゃないかという点。入院をしっかり見るにはマンパワー足りないし、でもそれなりに頼られる。今後の病院のあり方としては、大規模総合病院か専門特化の中小規模病院のどちらかが良さそう。そのためには、経営を変革するだけでなく、M&A的なことも必要になるかもしれない。投資銀行から見ると非常に魅力のない案件であるが、どうやって「マイクロM&A」を誘発するかは面白そうなトピック。どちらかというと、LinkedInのようなジョブマーケットを参考に、SNS的なマッチングが合うのかな。金融っていうよりは別様な感じもする。中小企業のマイクロM&Aも含めて考えたい。