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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

the wealth of nations, the health of nations, the mental health of nations

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少し前になるが7月6日に厚生労働省が、「精神疾患を5大疾患の1つとして重要視する」といった趣旨の発表した。


心臓疾患の治療や外科手術などは20世紀に著名に進歩した。しかし、20世紀における精神医学の進歩は必ずしも充分とは言えない。21世紀こそがんばりたいところだが、精神疾患患者の声はガン患者や心疾患患者などと違って、とても小さく、そして世間的な認識(スティグマ)もあって、より行政に届きにくい。そんな中で例の発表は意義ある第1歩だと思う。


罹患そのものの辛さだけでなく、若年者罹患により潜在的に失われる労働力など、社会的な損失も大きいため、社会全体の課題としてかなり大きい。実際イギリスでは、いち早く精神疾患を国の課題として、重点的に対策をしようと試みているらしい。日本もそれに続いている形。


このあたりは、以下が詳しい。

"No health without mental health" (The Lancet 2007)
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(07)61238-0/fulltext

"The mental wealth of nations" (Nature 2008)
http://www.nature.com/nature/journal/v455/n7216/full/4551057a.html


Lancet、Natureはともにイギリスの雑誌だが、アダム・スミスにあやかった修辞となっている*1


wealthをhealthと捉えなおすのもひとつのアプローチだが、よりスミス的/経済的なwealthに近いものとして、social capitalを取り扱えないものかと思案する。socail capital/sociomicsで"the wealth of nations"を書けないか*2。というのも、social capitalが抑うつ状態や自殺と関連しそうで、それらは精神医学としても社会科学としても扱いうる領域だから*3。もっと野心的に言うならば、スミスから体系的な学としてeconomicsが始まったように、sociomicsを始める土台が作られないものか。


p.s.ちなみに基礎研究の世界でも精神疾患は今ホットトピック。2000〜2010はa decade of brain(脳の10年)と言われたが、次の10年は「精神疾患のための10年」とフィーチャーされている。

"A decade for psychiatric disorders" (Nature 2010)
http://www.nature.com/nature/journal/v463/n7277/full/463009a.html