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ideomics

サブジェクト⇔オブジェクト思考ブロギング

「イシューから始めよ」 安宅和人著

良い本に出会うと清々しい気分になる。いかなる分野であっても。


コンサルタントとして働く友人から勧められて一読。評判通りのクオリティ。ざっくり言ってしまえば、「がむしゃらに頑張るのではなく、意義のあるトピックにフォーカスを定めよ。データ集めてから考えるのではなく、仮説を持ってデータを集めよ。」ということなのだが、生産性の高い仕事をしている人の暗黙知を、言語に表現して形式知と化したのが凄い。(著者のブログの圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketingにコンパクトにまとまっている。他の内容はamazonのレビュー参照にて。)


言われると、そうだよな〜と思うけど、ここまで言語化できる人は少ないだろう。そもそも説得や教育の最良の方法は、「既にそれは知っていて、自分もそう思っている」と思わせることである。語源から「education=引き出すこと」と考えるならば、educationとは内面に漠然とあったものを析出させること。とすると、これはまさにeducationを実践した本である。


ビジネスも研究も一緒と言われることがあるが*1、安宅さんはどちらの世界にも身を浴したことで、より純度の高い共通性を抽出したのだろう。他分野である程度の期間身を浴することは、かのように純度の高い普遍性へと近づく道になる、これは応用可能なメソッドかもと思ったり。



MBA = liberal arts ? - ideomicsでも触れたが、MBA的なもの=liberal artsとすれば、コンサルタントは教職となりうる。presentation, discussion, interview, IT, finance, leadership, followershipといったものが現代の一般教養となるならば、コンサルタントの重要な役割は、広い意味での教育にあるのかもしれない。


とある友人のエントリにこういったものがあったが(http://d.hatena.ne.jp/hajimenator/20101224/p1)、このあたりの"brain building"を「教育education」へと、更には初中等教育へと転化していくことに未来を感じる。劇的な変化ではないけれど、海流のように穏やかだが強力な変化として。あるいはデルタスタジオ(http://whatisyourdelta.com/)あたりにも。


「一般教養」なる歴史的な文脈において、MBAはbrain buildingに何をもたらしうるだろうか?liberal artsとして完成した姿を見ることはできるのだろうか?これらイシュー分析などのの技術を「修辞」や「論理」のように形式化して、統合/総合していくとしたら?そして初中等教育に持ち込むとしたら?