ideomics

オブジェクト思考ブロギング

シンガポールに行ってみたい

日曜ベトナムに出張していた友人とだべる。ベトナムはまだ銀行という機関がしっかり普及しておらず、タンス預金や金での決済が一般的らしい。なので、ここから預金を集めるというのがまず銀行の第1歩だとか。今後日本経済が縮小していくとすると、活路は海外というのが基本となるが、アメリカやヨーロッパはもう既に成熟しているし、人種差別的なものもあるので、なかなか攻略は難しい。アメリカでのトヨタ叩きなんて、完全にジャイアンのいじめな印象だし。


進出先としては、日本がそれなりにブランド価値がないとこじゃないと競争優位が持ちにくいだろうが、やはり東南アジアはいいのかな。よく言われることで、自分が何らかの話ができる分野ではないけど。そういった進出をサポートするサービスの提供ってどんな感じになされているのかしら。商社やコンサルティングファームがやっている?あるいは自前がほとんど?いずれにせよ、これまでは現地法人を現地人で作るというより、日本人の出張がベースにあったろうから、求められているものとはだいぶ違うのかもしれない。


といいつつも、話題の中心はシンガポールだった。地政学的にも東南アジアの中心と言って良いシンガポール東南アジアの首都あるいはアジアの首都となるか。なりそうだけど。GDPと給料がある程度連動しているらしく、官僚の給料も高いという、インセンティブがよく設計された国らしい。


金融が産業のひとつの中心であるけど、今はバイオ関係の大きな研究センターに力を入れているらしい。各国からラボを集めているとか。おそらく、スタンフォードシリコンバレーのIT産業に果たした役割を参考に、バイオ産業クラスターの中心・プラットフォーム・ハブとして、構想をしているのだろう。これは期待できる。例えば、クレイグ・ヴェンター(John Craig Venter)と合成生物学 - ideomicsとか「遺伝子医療革命」 フランシス・コリンズ - ideomicsに触れたようなポテンシャルなんかで。今後最もレバレッジ*1が期待できる分野かも。


バイオテクノロジーはITの次を担うものとして注目されたけれども、以前はそれほど広がりを持たなかった。ひとつにはITにおけるプログラムほど初期投資が軽くなくカジュアルにできないことがある。もしかしたらスタンフォードのような知的なハブがなかったのも因子かもしれない。だとしたら、シンガポールの構想によって何らかの進展が見られるかも。


レバレッジというのは金融でよく使われる言葉だけど、知的財産って実はかなりレバレッジが高いし、場合によっては、金融以上のレバレッジかもと思う。しかもゼロサムではなく、社会の総福利の上昇も。特に製薬なんて、成功したやつは相当なレバレッジ。今後バイオ産業は高レバレッジ産業として発展できるか。ここは色々考えてみたいところ。


昔聞いたシンガポール国立大学の学長の講演もインプレッシブだったな。overseas universityといってシリコンバレーストックホルムなどホットな場所を支所を設けてバーチャルにつないだ「大学」の話をしていたり(これはいかようにも拡張・再編成が可能)、逆にresidential collegeといって留学生を住み込みで大学に住まわせてシンガポールに集めようというコンセプトの構想であったり。グローバルというのを地でいってる。人材しか資源がないという切実な現実をむしろアドバンテージにしているような戦略性。まだ行ったことないけどね。行ってみたいシンガポール

*1:正確な表現ではないが、初期投資が何倍もの果実を生み出しうるという意味として援用する