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オブジェクト思考ブロギング

介護系ベンチャー・メディカルレジデンス

仕事柄高齢者と関わることが多い。そもそも医療系の道に行こうと思ったのは、高齢社会における社会保障のグランドデザインを考えたからだった。未だに社会保障をどうしたら良いかは、あまり良いアイデアはないが(シンガポールのmedical saving accountなんかは興味深いけど)、介護系のビジネスを何か考えたいと思うことはしばしば。


事業志向の友人・先輩と話していても、なかなか興味がもたれにくい分野ではあるけれど(自分もそうだけど)、間違いなく成長産業ではある。日本だけでなく、世界的にも。響きが格好良くないし、なんか辛気臭い分野なので、ITやバイオみたいな魅力はないけれど、その分心理的な参入障壁がある。


例えば、介護機器ひとつとっても、あまり有力なプレイヤーはいない。ベッドなんかは、ただ折り曲がるだけで法外な値段とってたり、車椅子にせよ、昔ながらのものがずっと続いている。介護サービスの分野は少し前に、たくさん新興が出てきたが、こちらは行政の裁量で、サービスの値段や内容が変わってしまうため、やりにくいが、機器に関しては、市場も世界と広く、規制も、医療に比べると少ないので、やりやすそう。


または住宅。いわゆる老人ホームも足りないが、そこまでいかないけど、普通のマンションでは住みにくいという層に対して。大手デベロッパーが色んなレジデンスを作っているが、スーパーを絡ませるだけでなく、メディカルサービスを絡ませたレジデンス作りなんかは結構ニーズがありそうな気がするが。既に着手はされてるだろうけど、アイデアの発展の余地はありそう。


以前のエントリ*1で、日本の特徴として異常に丁寧なサービスをとりあげたが、もしこのサービス力を活用するならば、アジアの富裕高齢者向けの終の棲家を作れないかと思ったりもする。メディカルツーリズムならぬメディカルレジデンスとして。メディカルツーリズムだけでも、それなりに産業にはなるだろうが、レジデンスともなれば、かなりの売り上げは見込める。


日本くらい安全な国もないだろうから、その安全さも価値にはなりそう。特に中国は今後20年くらいで、高齢者が続出するはずで、その中で富裕層・準富裕層が中国内よりも日本が良いとなれば、これはビジネスチャンスにもなるかもしれない(かつ対中国のソフトな安全保障になるかもしれない)。