ideomics

オブジェクト思考ブロギング

固定資産税

待ち合わせまでに時間があって、手持ち無沙汰なとき、僕は本屋で立ち読みをすることが多い。それも、ベストセラー系の新書とか、単行本。雑誌+αくらいな位置づけで。


先日は大前研一柳井正の「この国を出よ」を読んでみた。というか、拾い読みをした。個人的に、大前さんの主張は全般に好きなのだが、今回は、「国家の税収=固定資産税+付加価値税」と単純化する提案に、膝を打った。


常々土地の流動性を上げて、有効活用するため、また土地の所有権の正当性を確保するため、固定資産税はがつんと上げるべきだと思っていたが、それを税収全体の話から、でかい絵を描くのはさすがに脱帽。


いわく、所得税法人税、その他特殊税は要らない!日本の土地の固定資産税を上げて、国家支出の半分くらい賄って、かつ付加価値税(大雑把に消費税みたいなものとして捉える)で半分を賄う!と。国家の役割は、第一義に安全の保証、特に土地を守るという機能がそもそもの始まりであったことを考えると、国家の行政サービスの対価として、固定資産税(土地の所有権を保証してあげることの代価)が第一に上がるのは、妥当であるし、交易(商売、流通)の安全も国家があるがゆえに保証されていることを考えると、付加価値税が第二にくるのも自然である。


土地の所有権については、なぜ人によって土地の所有の大小があり、かつそれが子孫まで受け継がれてしまうかという点で、現状に大きな不満がある。貴族や資産家じゃないものにとってはアンフェアきわまりない。特に日本は土地が高いし。


ここは固定資産税を上げて、土地の有効利用を進めたいところ。持ってるだけで、うまく使えない人から、もっとうまく使える人へ。シンガポールは、そもそも土地の所有権というのはなく、全て借地権と聞く。そこまでいかなくとも、土地の分配については、もっと正当性や正統性を考えてもいい。


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2013年2月3日追記:

いわゆる所得税は、付加価値税と一元化できると思われる。というのも、賃金は、労働力や労働内容をベースにした労働契約=一種の売買の代金と考えられるから。これもひとつの(企業から見た)「買い物」。