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オブジェクト思考ブロギング

政治家と官僚

現政権になってから、政治家と官僚の関係がさかんに口にされることが多い。青春の一時期官僚養成校へ身を浸し、官の友人のモチベーションやモラルの高さに敬服する身としては、官僚の肩を若干持ちたくなってしまうが、それを抜きにしても、政治家が官僚をディレクションするというのは現実的ではないなぁと思ってしまう。


もともと能力が高い上に、一生の大部分を政策に過ごした人にすぐに適うわけないのだから(全員が全員というわけではないだろうけど)、民主的に選ばれし我らが議員様は、ディレクションというより、「監視」に徹する方が現実的だろうと思われる。つまり、取締役というより、監査役


官僚が主体で困ることといったら、官僚が自分達の利益を優先することがメインのリスクだろうから、この部分を告発する役目を引き受けると。要はオンブズマン。もちろん、監査結果を提出する相手は、株主たる我らが国民様。そして、彼らが知識を使って相対的に優れた政策を作ってくれるというメリットは享受しておく、と。


現在の二院制は、ほとんど同一のものが2つあるだけで、二院あることの意義はあまりないが、1つはこの「監査役」「ディスクロージャー」を主業務として引き受けてもらうという形を夢想する。現在のジャーナリズムやオンブズマンが引き受けている役目を、もっと権力的に、かつ民主的に。もう1つは(幻想かもしれないが)「取締役」として。


アメリカのように国を代表する議会と、各州を代表する議会というように、連邦的な二院制もありだと思うけれど、こちらの形も悪くないんじゃないかしら。マスメディア的ジャーナリズムの衰退(=政治の監視装置の衰退の恐れ)が懸念される中、監視装置としてより公式な機関を担保しておくのは必要なことかもしれない。