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オブジェクト思考ブロギング

「THE OUTLINE 見えていない輪郭」 深澤直人・藤井保

ちょうど1月31日まで開催されている「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展@21_21 DESIGN SIGHT(六本木)の写真集。


深澤直人のプロダクトを藤井保が独自の視点からフレームに収めた写真が各プロダクトにつき2,3枚載っている。プロダクトのもつ「雰囲気」をどうにか写真というカタチに収めようというアイデア


「雰囲気」を収めようとする写真としての野心もさることながら、

深澤さんの作品は、「自然さ」を人工的に作ろうとしている

とのコメントがある通り、「自然さ」をいかに捉えているかが興味深いポイントであろう。


アフォーダンス*1という言葉に示されるような行為としての「自然さ」や形として違和感がないと思える「自然さ」、はたまた自然にある植物を使っているとかの「自然さ」など、「自然さ」という言葉には色々な解釈がありえると思うけど、最近は建築の世界でも自然というのがキーワードになっている気がする。隈研吾とか伊東豊雄周辺とか。いわゆるものづくり関係の最近のキーワード。


オーガニック革命という新書も発売されているらしいが、このあたりのコンセプトが今注目されているのかな。エコ志向と対応するかのように高まってきたベクトルなのかもしれない。ともあれ、深澤さんの追求している「自然さ」は、植物を使っているとかの「自然さ」よりは何ランクか深い思想なので、とても興味深い。


深澤直人のプロダクトを藤井保が撮る----日本が誇る、デザイナーと写真家の初のコラボレーション。当たり前のようでいて、普通の人には見えにくい、2人だけに見える「デザイン輪郭」とは何か。『モダンリビング』で約4年に渡って掲載した写真に、新たに撮り下ろしたヨーロッパ、及び国内での作品も多数加えた一冊。

*1:wikipedia参照