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オブジェクト思考ブロギング

江戸東京たてもの園に行った

季節も変わり出歩きやすい気候になった。夏には暑いという理由で延期していた、江戸東京たてもの園へ。

http://tatemonoen.jp/


江戸〜昭和のノスタルジックな建物を保存&公開している施設で、それなりに名前も知られているものの、行った人というとあまり聞かない。都立というシャビーなイメージもあり、中央線でちょっと都心から遠いってのもあるかもしれないが、結論から言うととても楽しい。これは穴場。こういうのが気になる人にはおすすめ。


中でも、前川國男*1自邸はとても素敵で、自分の家をどうするかってイメージに参考になる。

木や日本的な素材を用いて、モダニズム的なセンスでまとめあげる。写真にはないが、このリビングの上はロフトになっていて、非常に快適な空間。来る人来る人から「素敵〜」みたいな声が聞こえるけれど、同感。今やよくみかけるジャパニーズモダンというやつだけど、いいものはいい。前川作品の中でもかなり人気あるそうな。


三井八郎右衛門邸はある意味面白い。というのも、この家に三井財閥の価値観の源流みたいなものを感じるから。


写真の通り、豪華さみたいなのがお好きなようで、シャンデリアとかもある。豪華絢爛という「秀吉好み」的な方向で、いわばバブリーなものともつながる。三井不動産東京ミッドタウンを思わず思い出してしまった。しかし、こういう価値観の方がある意味マスマーケットに訴求するのかもしれないし、ひとつの「正解」かもしれないと思ったり。


茅葺の農家も幾つかあって、だいたい囲炉裏が炊いてある。


ガイドさんの話だと、囲炉裏で炭を燃やして出る煙によって茅の虫を殺しているらしい。囲炉裏をたかなければ、茅は10年も経たずにダメになるし、たいていれば数十年もつそうだ。もちろん、蚊などへの効果もある。囲炉裏の煙がたまってつらいでしょみたいなことを聞いたら、そんな答えだった。昔の農家はある意味合理的にできている。


着物で行ったせいか、ガイドさんによくしてもらって色々コアな話を聞くことができた。だいたい50代くらいのオジサンで、バックグラウンドがだいぶ違うから、異なった視点でとても興味深い。だいたいオジサマは薀蓄好きでもあるし。


なかなか面白いとこだし、なんか色んなものの入り口になってくれて、調べる情熱をかきててくれるとこであった(前川國男三井財閥、農家の囲炉裏や土間・・・)。そして、付属の図書室が小さいながらも充実している。東京/江戸、建物/建築に関係あるものを揃えた小部屋だが、絶版のものも多く、興味深いマニアックそうな本がかなり並んでいる。コアな人向けっぽいけど、時間があるならいいかも。

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てか、先日着物を購入したものの、出かけるところがあまりないので、そんな機会や場所をご存知の方はぜひ教えてくださいまし。