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オブジェクト思考ブロギング

「すべての女は美しい」 荒木経惟

たぶん自分とは対角線の位置にいるからだろうか、アラーキーにはどうしても惹かれてしまう。

色んな写真があるけれど、彼にとって中心となる「女」というのに、一番ダイレクトな文章で付き合ってみたのがこの写真+テクスト。

被写体の人たちは、きっと町にいるごく普通の(とはいえ、アラーキーの被写体になろうというくらいだから、多少は変わっているか)女性達。彼女達の日常生活もなんとなく想像できる感じの、ごくありふれた感じ。でも、その人たちも、アラーキーのレンズを通すと、めちゃくちゃ魅力的な女/人に見える。視線ひとつ、あるいは接するだけで、こんなにも違うものなのか・・・


「ある女が美しく見えなかったら、それはお前の眼が間違っているんだ」的な趣旨の部分があったけど、妙に納得させられた。てか、載ってる写真見たら納得せざるをえない。

きっとこの姿勢は色んな分野に応用できる。「ある男が才能ないように見えたら、それは前の眼が間違っているんだ」とか。エンタメ的な本なのに、やけに教訓的だ。恐れ入ります。


ちなみに、「すべての女は美しい2」ってのが出ているけど、そちらは50代くらいの太目のいかにもなおばちゃんが被写体になっている。さすがに、2の方はついていけんかった。