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オブジェクト思考ブロギング

イタリア旅行7 カプリ

カプリ・・・上質な観光地であることの代名詞。船でこの島を訪ねれば、世界でも有数のリゾートであることがすぐわかる。自然は綺麗だし、港も実にフォトジェニック。画家達がこぞって題材にしたのもよくわかる。


とは言え、カプリの最大の魅力はそこではない。

自然の綺麗さだけなら、他にもいくらでもあるだろうが、ここに息づく人々の観光業経験歴に勝る所はないのだ。なんせ、古代ローマの初代皇帝アウグストゥスの時代からリゾートとしてのキャリアがあるのだから。下手すると、宿経営業50代目なんて感じかもしれない。それは若干誇張としても、カプリに暮らす人は、観光客とも距離感が上手い。ベタベタしすぎないけど、聞けばとても親切。洗練された距離感を保ちつつも、人肌を感じる温かい接し方・・・これこそまさに真に文明人のスタイルなのではないかとこの街で感じた。



そして、特産品の陶器の色彩が限りなく綺麗である。一般に観光地のお土産は安っぽいものばかりで残念なことが多いが、ここの陶器は実に素敵。塗料の深い色合いと楽しげな色彩の調和。陶器もまたカプリの大きな魅力なのだ。街の色合いも、陶器に劣らず、深く楽しげだ。「観光」とか「リゾート」という言葉に対しては、何かしら安易さとか、安っぽさを感じていたが、それが間違いであることがこの街でわかった。精神の上でも上質な観光やリゾートはありうるのだ。少なくともこのカプリには。



そういえば、カプリというと、青の洞窟も有名だろう。ここもまた、日本人の割合が一気に跳ね上る場所だが、なかでも日本の女子大生はまたまた最強のプレゼンスを放っていた。我々が洞窟に入る前に見学していた集団が洞窟から出てくると、二人の女の子が泣いていた(蛇足だが、かなり可愛かった)。どうやら感動のあまり涙が途切れないらしい。最初見たときは目に海水でも入ったのかと思ったが、感涙であったようだ。最初から泣くつもりでスタンバっていた感も否めないが、それでも凄いことだと思う。こういった感性は、粗野な自分には未知の領域だ。やはり世にはわからないことがたくさんある。ただ、イタリア人のB氏いわく、this place is for kids, though.(でも綺麗な色だと思います)



結論:カプリ良いとこ、一度はおいで。