ideomics

オブジェクト思考ブロギング

『君に友だちはいらない』 瀧本哲史著

思わず全文読み進める。面白い小説を読むような感覚。。。自分は大して経験もないけれど、チームを形成していくテクニック/テクノロジーとして、必要十分な要素が含まれていると感じてしまう。*1 ひとつひとつのパーツは、ウェブのライフハック的な記事やベ…

自己肯定感

子育て系の本とつらつらと。。。 たまたま重なっただけかもしれないけれど、どの本も共通して、「自己肯定感」が大事というメッセージを柱にして文章を展開している。3冊とも、要約すれば「子育て・成長支援とは自己肯定感を育むこと」というところか。 精神…

『プロジェクト・ジャパン - メタボリズムは語る』 レム コールハース (著), ハンス ウルリッヒ オブリスト (著)

台場からのメトロポリス・トーキョー - ideomics フジテレビ本社ビルや台場のメガ・ストラクチャー的な構造物を見た流れから、改めてレム・コールハース、ハンス・ウルリッヒ・オブリストの『プロジェクト・ジャパン - メタボリズムは語る』をパラパラと。フ…

『企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』松井博著

書評としては、小飼さんの 404 Blog Not Found:The Rise (and Fall?) of the Private Powers - 書評 - 企業が「帝国化」する にて。 話しとしてはウェブでよく見るトピックだけど、全体の俯瞰と、何より書くべき人が書いたというリアリティの強さが違う。特…

生物(いきもの)としての会社、生物(なまもの)としての会社:『スリッパの法則』藤野英人著

『スリッパの法則』 たいした資産があるわけでもないけれど、銀行に預けること=国債を買うこと、とすると、預金するのも釈然としないし、なにやら資本市場に悪を為している気もするので、もうちょっと有意義な投融資に回したい。と思って読んでみたら、思い…

『〈生命〉とは何だろうか――表現する生物学、思考する芸術』岩崎 秀雄

アマゾンのレビューはさほど芳しくないが、趣旨に非常に同感の一冊だった。生命科学と呼ばれる領域に興味を持っているなら、「生命とは何か」という大上段の問いを考えないということはないだろうが、それに対して最もリーズナブルな答えは、現状ではこれだ…

ソーシャル・デザイン。「社会実験」のグラント化?グラントの民主化?

楽しく読んだ。シリアスになり過ぎずに、楽しく社会の問題を解決していくコンセプトや実践例が並んでいる。 例えば、タバコの代わりにシャボン玉を一服する東京シャボン玉クラブ(東京シャボン玉俱楽部)。常々、非喫煙者として喫煙所のコミュニケーションは…

Bibliomics / Epi-bibliomics Studies

Quantitative Analysis of Culture Using Millions of Digitized Books(PDF版は:PDF) に対する、 (単語や人名の)歴史事象と出現頻度、というくくりでもちろん面白いけど、GWAS*1みたいな感じで語同士の相関とることで背景の文化事象に関連が見えてきた…

Grazia1月号:ヴァン・クリーフ&アーペルと贈与論?

徐々に薄くなるGraziaに心配しておりますが、しかし、これホント良い雑紙です。女性誌をコンスタントに読む習慣はこれまでなかったですが、Graziaの出来映えはとても良い。とはいえ、(ほとんど買い物をしない)私にヒットするというのは、利益を上げる方向…

脳=思想するカラダ? - 『脳には妙なクセがある』池谷裕二著

池谷裕二先生の『脳には妙なクセがある』(扶桑社)、さすがのクオリティ。めちゃくちゃ面白かった。池谷先生、無双過ぎですね。 池谷先生が幅広くチョイスした面白い実験が、アラカルトのように並べられているけど、 身体運動や身体感覚が内面化されることに…

『最新脳科学で読み解く 0歳からの子育て』 サンドラ アーモット・サム ワン(著)

世の「脳科学」系の本は玉石混交で、だいたい信頼できないものが多いけど、これはわりと良さげ。著者のサンドラ・アーモット氏はnature neuroscience*1の元編集長。当然、広範な論文のセレクションという意味では、世界にこれ以上のない適任者。 原題は"Welc…

『大奥』よしながふみ

漫画の『大奥』を今更ながら読んだ。これは凄い作品ですね!ジェンダー関係で百の理論や説を重ねるよりも、一気に男女の「違い」やgender/sexが宙吊りになった。もちろんドラマとしても面白い。読んだ後は、まさに"confused"。頭がクラクラして、何がなんだ…

『ふしぎなキリスト教』 橋爪 大三郎, 大澤 真幸

新書大賞に選ばれ読者も多い一方で、アマゾンのレビューで物議を醸しているようだ。信者の方々にとっては、あまり気持ちよくないだろうし、指摘すべき点が多そうな雰囲気は確かにある*1。 ただこの本はあくまでも、『"ふしぎな"キリスト教』であって、非関係…

Grazia 2012年8月号

Grazia8月号、なかなか良いんじゃないでしょうか。個人的には「買い」かと思います。 アマゾンの評価はイマイチだけど*1、再創刊から4ヶ月でこのレベルはむしろ感心。最初は、プチセレブファッションショットに子育て系コラムをコラージュしたような誌面構成…

(メモ)暫定リスト

ハンナ・アレント『責任と判断』『暴力について』 ピーター・F・ドラッカー『産業人の未来』 シーダ・スコッチポル『失われた民主主義』 フレデリック・L・アレン『オンリー・イエスタディ』 ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』 イマニュエル・カ…

トランプのジョーカー

クーリエ7月号が(毎度ながら)面白かった。 トランプにキングやクイーンやジャックに混じって、なぜジョーカー(道化師)がいるのか。王宮には必ず道化が召し抱えられ、彼らだけは王様をからかうことが許された。だからトランプのジョーカーはオールマイテ…

『大学とは何か』 吉見俊哉

良くも悪くも記述的なので、「読ませる」タイプのエンタメ性はないが、簡潔で情報量が多い。大学の歴史を概観するには、非常に便利。 大学というと、12世紀前後から連綿と続いているような振りして歴史的な正統性をブランディングしているけど、16世紀〜近代…

『フランス父親事情』 浅野 素女

著者紹介で、"パリで暮らすエッセイスト"とあったので、雨宮塔子『雨上がりのパリ』的な展開を恐れつつページをめくった。しかし、開けてびっくり玉手箱。内容は充実してて非常に良いルポタージュ。日本から見ると、プライベートから公的な制度まで男女関連…

女性誌Graziaが5月号から働く母向けに新創刊

女性誌のGraziaが「今号よりGraziaは、『子どもを産んでからも仕事をし続けている女性、し続けたいと思っている女性』に向けて、新装刊しました。」ということでリニューアルしたらしい。 所得がある程度ある働く母向けのファッション誌があんまりないよね〜…

Books x Exchange = ??

本のストレージサービスで、http://my-shelf.jp/というのがあるらしい。本の置き場は困っているので、まったく惹かれないわけではないが、でも本を貯め込むんじゃなくて、みんなに流通させた方が楽しいし、他の人もハッピー。お金と同様に、ストックよりフロ…

「ポスト蔦谷書店」の書店の形

先日代官山の蔦谷書店に行ってみた。 http://tsite.jp/daikanyama/store-service/tsutaya.html 評判どおり心地よい空間で、もうちょいアクセスが良ければ頻繁にふらっと立ち寄りたくなる場所。書店ビジネスが瀕死といった話もあるけど、こういった嗜好性を高…

『超マクロ展望 世界経済の真実』 水野和夫・萱野稔人

これは凄い。読後の興奮を抑えるのにこんなにエネルギーがいるとは思わなかった。ああこれが恋といふものだろうか。思わず2冊目を買ってしまった。そしてもう一冊買ってしまいそうだ。線を引きまくって、抜き出した部分をカードにしてKJ法なんぞをやってみた…

「ゲームニクスとは何か」サイトウ・アキヒロ

ファミコン、プレイステーションなどゲームには、人を惹きつけるための工夫が満載だ。インターフェイスのデザインやユーザーエクスペリエンスの重要性が増していく傾向に対し、ゲーム作りから学んでいこうというコンセプト。 (ウィキペディアより) ゲーム…

「我らクレイジー☆エンジニア主義」 リクナビNEXT Tech総研

題名に惹かれてなんとなく手にとったもの。めちゃ面白かった! ・装着型のロボットスーツを開発する山海嘉之氏(サイバーダイン社長、筑波大学) ・ダンジブルビッツ(触覚的なUI)を創造していく石井裕氏(MITメディアラボ) ・翼で浮遊する時速500km…

「イシューから始めよ」 安宅和人著

良い本に出会うと清々しい気分になる。いかなる分野であっても。 コンサルタントとして働く友人から勧められて一読。評判通りのクオリティ。ざっくり言ってしまえば、「がむしゃらに頑張るのではなく、意義のあるトピックにフォーカスを定めよ。データ集めて…

「図書館はコミュニティ創出の「場」 会員制ライブラリーの挑戦 (ネットワーク時代の図書館情報学)」 小林麻実

アカデミーヒルズ六本木ライブラリーの紹介。こちらのライブラリーを立ち上げた小林さんという方の案内にて。既に有名なんだろうけど、「ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系」 岡本真、仲俣暁生 (編集) - ideomicsでも触れられていた、図書館…

再読:「ウェブ×ソーシャル×アメリカ――〈全球時代〉の構想力」

トピック的な抽出と雑感 ・クリステンセンはinnovationをevolutionと同様に、自然法則の一種のように捉えている。innovationも環境適応の一種であり、それ自体は良いことでも悪いことでもない。環境は刻々と変わるため、適応戦略も変更が求められることもあ…

「茶 利休と今をつなぐ」 千宗屋

茶の湯を思想と作法(技術)の両面で解説してくれる。プラクティスのレベルとフィロソフィーのレベルの両層でわかりやすく、かつ(おそらく)的を得ている。ありそうでなかった、茶の湯の一般向け解説。良い意味で非常に新書らしい新書。 ***以下抜き書き…

「文学のレッスン」 丸谷才一

小説家・批評家丸谷才一が、小説に限らず、エッセイから戯曲、詩歌、ルポまで語る。本書はいわゆる文学といわれるジャンルでほぼ閉じているが、文学=literature=文献として、あらゆる「文献」について語ろうとする広がりを想像して興味深かった。 特に興味…

「遺伝子医療革命」 フランシス・コリンズ

ヒトゲノムプロジェクトの総責任者であったフランシス・コリンズが一般向けに書いた本。フランシス・コリンズは現在NIH(アメリカ国立衛生研究所、アメリカの医学研究の総本山)の所長となっており、オフィシャルな力でいったら、最も影響力の強い研究者と言…