ideomics

オブジェクト思考ブロギング

法廷モデル

evidence, defense科学の世界でも、法廷モデルっぽい言葉が使われている。科学の仕組みや制度として法廷モデルが使用されているように見える。自然科学の中身そのものとしても、lex/lawという法の言葉が自然の法則にも転用された歴史的な経緯が気になる。 「…

翼ある言葉

人はみな初めに天使からこぼれ落ちて生まれてくる。柔らかく光る肌にその痕跡を残している。その乳香は芳しく、地上のものとは思えない。彼らもやがて毛が生え、血を出し、欲にまみれる。ヒトであることを思い出し、楽園を失う。アダムはイブの血を知り、イ…

アレイオス・パゴス

アイスキュロス『オレステイア』三部作の最後の舞台、アレイオス・パゴスは裁判の場所として法廷演劇の舞台ともなる。実際のアレイオス・パゴスは最高権威の位置づけだったのようだが、『アテナイ人の国制』によると、古拙からソロンまで司法のニュアンスが…

誓約の制約

古の賢者たちは、かつてのローマについてこう伝えている。「エトルリアには技術において、ギリシャには学芸において、ガリアには体格において、カルタゴには商売において劣るが、神々への敬虔さにおいてローマは他の国々のどこにも負けない」と。しかし、ロ…

"la mort de l’homme"

"la mort de l’homme"ある外科医の息子のかけ声が、sapiensを覆うhomoの皮膚にメスを入れる。隠れていたsapiensがhomo=hommeの皮を破る。hommeの皮を被ったsapiensが、その皮を破り外へ出る。 朝起きて鏡を見る。鏡を見て、自らを知る。鏡を見て、自らを識る…

アレクサンドリア図書館

かつてのアレクサンドリア図書館には、ψυχῆς ἰατρείον (psyche - iatreion) と掲げられていたらしい。書物・図書館とは、魂の診療所である、と。 これは、書物にある情報そのものが癒しの機能を持つというよりは、書物に向き合う過程が診療所の診察のように…

法=DNAの生き物

「我々の組織のDNAが・・・」といった言葉にはレトリック以上のものがある。ただし、DNAという比喩を使うには、複製可能な形で保存され、また複製され続ける必要がある。例えば、文字による法。組織 (organ-ization) が、組織 (tissue) や、器官 (organ) の…

テアトロクラティア

悲劇の誕生 - ideomics プラトンは『法律(ノモイ)』において、テアトロクラティア(観客支配・観客権力)を批判するが (701A) 、この戯曲家こそが、ソクラテスを主人公として観客の喝采による支配を試みているのだと我々は知っている。彼は、脚本家である…

悲劇の誕生

「お客様は神様です。」 - ideomics 後の悲劇作家は、不死の神々を二階に、死すべき人間たちを一階に招いた。悲劇には、二つの観客がいる。悲劇は、死者を舞台に招き、市民(ポリテース)も舞台に招く。悲劇は敗者を讃える。死に逝った者を称える。勝ち馬に…

「お客様は神様です。」

μῆνιν ἄειδε θεὰ Πηληϊάδεω Ἀχιλῆος怒りを歌え、女神よ、ペレウスの子アキレウスの 怒りこそが、『イーリアス』の始まりの始まりにある。それは歌われる。暴力ではない。そして、女神の加護を受ける。女神がムーサのことならば、怒りは詩文と踊りの力を借り…

祭りの後の後の祭り

司法が立法に先立つのはなぜか?なぜなら、人は後知恵の動物であるから。先の知恵は、不死の神々のものであり、死すべき人は、後の知恵があるだけでも、よしとしなくてはならない。なぜなら、ヒトであるだけでは、その後の知恵さえもないのだから。 エピメテ…

homo vs sapiens

新たな人の姿を、ホモデウスとある人は言う。しかし、神とともに生きる人、あるいは神の似姿としての人とは、古代や中世に生きる人たちのことではなかっただろうか。後に人間たちが、鑑となる神の似姿の先に、鏡にある自分たちの姿を認めたとき、彼らは神な…

オリンピア

「万人の万人に対する闘争」とはなんと苛烈な世界なことか、と人は言う。半分正しく半分間違っている。闘争の対岸に見えるものは何か?平和ではない。支配 (domination) がある。少数による多数の支配、あるいは多数による少数の支配。その世界では闘争は許…

正義の変遷

『民主主義の源流 古代アテネの実験』によると、殺人事件は「民事」であって、当時の裁判の対象ではなく、親族の復讐に委ねられていたらしい。殺人に対する復讐は、親族の権利でもあり義務でもあった、というのは他にも見られる規範のようだ。特に名誉や雄々…

codeのコンパイルの問題

プラトン『法律』における説得の技法 https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/70989/1/KJ00000205829.pdf 「しかし、プラトンにとって、ムゥシケーの本質は、音楽と詩の統合された根源状態にこそあり、しかもその音楽的な要素、すな…

エピメテイア:後知恵の天使

弟のエピメテウス(epi-metheus, 後の知恵)の不思慮から、人間たちは先立つ力を与えられなかった。人間たちを不憫に思った兄のプロメテウス(pro-metheus, 先の知恵)の配慮から、人間たちは火を贈られた。火を贈られた人間たちは、なんとかプロメテウスに…

子育てと権利

出典は忘れたけど、フランスの人々は、子どもに何かしないよう言うときに、「〇〇してはいけない」という言い方ではなく、「あなたには〇〇する権利がない」みたいな言い方になるとか。子育て本系の話だし、本当かどうか不明だし(多分ごく一部のインテリだ…

再神話

人権など、もはや当たり前と思われる概念。基本になりすぎてもはや技術とも言われない過去の技術に似ている。しかし技術と違って、実体として輪郭が明確ではない。だから、当たり前に思えても、実際は忘れられやすい。という特徴があるとしたら、輪郭を明確…

市の民としての賢慮

加藤訳『統治二論』で、ロックはcivilとpoliticalを同義と捉えていたと解説にあり、なるほどと。ギリシャ語のpolisを、ラテン語にG翻訳するとcivitas。civilは日本語で市民とG翻訳され、市の民、市場の民。翻訳は翻案としても、込められた意味が面白い*1。 j…

三本の枝

西方の三博士が、東方の島国に三本の木の枝をもたらした。東方の島国に住む人々は、この三本の枝をどう使っていいかわからなかったが、その地に育っている木に接ぎ木をしてみることにした。 一人目が運んだ枝からは、頑丈な樹木がまっすぐに伸びた。そこから…

神と紙とカミさん

かつて神に憑かれた人々は、神に疲れてきた。神に仕えることに、疲れてきた。喜び勇んで、新しいカミを迎え、紙を使うとともに、紙に憑かれた。 神が紙となったとき、律法は法律となり、会社が社会となった。神と君の統治を倒置し民の統治となり、なおさら紙…

家庭の私法としての家政な司法

「dominium(※所有権概念)こそは、実は発達した「ローマ法」像の基礎に存するものである。」(木庭顕『新版ローマ法案内』第4章 所有権概念の登場とその帰結 P127) 子ども同士のおもちゃの喧嘩が絶えない。不思議なもので、人は他人が何かやってると羨まし…

ディズニーランドの入場制限

ディズニーランドを探していたら・・・ここにあった。浮世が、この土地が、ディズニーランドそのものだった。ディズニーランドで仮装する。浮世の土地で仮装する*1。ディズニーランドが仮想する。都市空間 (polis) が仮想する。内なる世界を住まい(テリトリ…

ソクラテスのサンバ術

宮を囲んで子どものように友と共に舞い踊り、みな宮の子になった。宮の子が祭りごとに集まるごとに、都の政になった。都が1となり、都が市になり、市が都となり、市もまた1となり、都と市は都市に1つになった。 現実的には非対称だが、祝祭で水平化する:2の…

Mamma-l, All Too Mamma-l

ドゥルーズによると、philo-sophiaとは、知(sophia)との友愛 (philia) らしい。敵と書いてトモと呼び、友と書いてライバルと読む。そんな距離感。一方で、sophiaとerosな関係があり、主体化・一体化(主体性と主観性)としての知との性愛関係、eros-sophia…

ソクラテスメソッド

ソクラテスメソッド。それは、相手(子ども)を、ソクラテスとみなすことであり、教員や大人がソクラテスを気取るという意味ではない。だいたい私たちは、ソクラテスより、グラウコンやトラシュマコスにより近い。石工を営むこの小さなソクラテスたちが、我…

Bachelor of ErosからDoctor of Philia (Ph.D) に至る家庭の課程

婚姻とは最古の大学院であったと聞く。Bachelor of Erosを卒業し、次の課程としてDoctor of Philia (Ph.D) に至る家庭の過程に進学する。passion(情熱)に始まりPassion(受難)となるこの課程で、家庭の家政を学び続ける。Doctor of Philosophyを真似たの…

ごっこ遊びとしての法廷=演劇

プラトン対話篇が、(当時アテナイで重要だった)演劇を模して、なんか凄そうな人の話を書いとくか、というノリであったとしたら、「十分に発達した対話篇は、戯曲と区別がつかない」ように見えたものも、「十分に発達していない対話篇は、戯曲と区別がつい…

meta-physicsという住まい(oikos)

新版 ローマ法案内: 現代の法律家のために 作者: 木庭顕 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/10/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 『新版ローマ法案内』のフレームでpolitics(ポリスの論理)とreciprotcite(テリトリーの論理)…

アナキン・コンプレックス

"If you only knew the power of The Dark Side. Obi-Wan never told you what happened to your father." "He told me enough. He told me you killed him.""No, I am your father.""No... that's not true. That's impossible."(Darth Vader & Luke Skywal…